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[オピニオン]金正恩統治「3年内」あるいは「10年+α」

[オピニオン]金正恩統治「3年内」あるいは「10年+α」

Posted July. 22, 2015 06:40,   

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金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑して以降、血なまぐさい粛清が続き、北朝鮮の幹部の間では「次は誰の番か」という不安が漂っていると、最近、高位層脱北者が伝えた。若い指導者の登場で、国家機関の世代交代も早く進んでいる。先週、国家情報院の国会報告によると、党幹部の30%、軍幹部の40%以上が変わった。

脱北した労働党幹部は、CNNとのインタビューで、金第1書記の気まぐれなリーダーシップと残酷な恐怖政治で支持基盤が動揺し、「3年内に権力を失うだろう」と見通した。北朝鮮の高位層脱北者に面談したカン・ミョンド教授も、「金正恩政権は長続きしない」と断言する。しかし、北朝鮮は数十万人が死ぬ「苦難の行軍」を耐え抜き、絶対権力者の死にも動揺しない権力世襲が成り立つ国だ。

金第1書記が状況をうまくコントロールしているという分析もある。金第1書記は、むやみに幹部を粛清するのではなく、権力周辺部の人間の特性を見抜き、独裁体制を維持する方法を父親から伝授されたということだ。権力の維持という点で見ると、抵抗の芽は未練なくバッサリ切ってこそ、禍を防ぎ、幹部が反対することなく従うと、金第1書記は判断しているようだ。

金第1書記の恐怖政治の下で高位層は戦々恐々としているかも知れないが、住民は腐敗した幹部を除外し、新しい血に入れ換える若い指導者の姿からカタルシスを感じることができる。北朝鮮権力の核心勢力が不満を抱き、クーデターを起こすシナリオも想像できるが、北朝鮮住民が金第1書記の統治を抵抗なく受け入れている現実では、成功は難しい。高位層の不安と恐怖とは別に、北朝鮮住民の生活は金正恩政権後に改善されつつある。

北朝鮮は、圃田担当制の拡大と市場の活性化を通じて食糧難を解消している。北朝鮮は、昨年の深刻な日照りにもかかわらず、穀物の生産量は減らなかった。国連食糧農業機関(FAO)によると、北朝鮮の食糧収穫量はこの3年間で大きく増加したが、今年は昨年の降水量不足から米の生産が10%も減少した。しかし、トウモロコシが17%、ジャガイモが16%増え、総量は一定している。

深刻な干ばつにも食糧の生産量が減らないのは、圃田担当制の功労が大きい。協同農場の末端単位は10〜15人で構成された班だ。班は再度3〜5人に分けられ、圃田を耕作し、土地の肥沃の度合いによって生産量の50〜70%を国家が徴収し、30〜50%を農民の持分とした。中国式農地改革の前段階といえる。圃田を共に耕作する3〜5人は、隣人や同じ村に暮らす親戚だ。北朝鮮が農家別に圃田を配分しないのは、牛や農業機械をすべての家庭に配分できないためだ。

協同農場の生産量をすべて国家が徴収して配給を与える方式よりも、圃田担当制はインセンティブが大きいため、農作業に励んだことで生産量が増えた。圃田担当制は、02年に金正日(キム・ジョンイル)総書記の時に始められ、金第1書記が政権に就いて本格化した。金第1書記は昨年2月、「社会主義農村のテーゼの旗を高く掲げ、農業生産で革新を起こそう」という書簡で、「分配において平均主義は社会主義の分配原則と関係がなく、農場員の生産意欲を落とす害になる」と述べ、父親とは異なる市場経済への認識をうかがうことができる。

中国から輸入した穀物も、市場で活発に取り引きされている。道単位の貿易会社と企業所も、中国から食糧と生活必需品を輸入して供給する。金第1書記はスポーツを育成し、遊園地や娯楽施設を全国各地に作っている。幹部に対する恐怖政治とは異なるスタイルだ。

中国と北朝鮮の外交関係は、張成沢氏の処刑後、過去最悪だ。ロシア戦勝記念式典に参加しなかった金第1書記は、中国の9月3日の抗日戦勝70年記念式典にも参加しないことが確実視される。一方、中国は、戦略的価値を考え、北朝鮮を見捨てないだろう。中国は、国際制裁にもかかわらず、北朝鮮に原油の供給を続けると見られている。

金第1書記はまだ若い。高度の肥満が改善されなければ、健康問題を出てくるだろうが、短期間に重病になるとは考えられない。金第1書記の政治的寿命を正確に予測することは難しいが、予想より長く持ちこたえる方向で対応してこそ、外交・安保政策の失敗を防げるだろう。