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「夕立」の少年はその後どうなったのか

Posted June. 03, 2015 07:24,   

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「本当にあの娘は幼くて、ひ弱だったよ。死ぬ前にこんなことを言ってたってねえ。自分が死んだら自分が着ていた服を必ず着せて埋葬してほいって…」

田舎の少年と都市の少女の悲しい初恋を描いた黄順元(ファン・スンウォン=1915〜2000)の短編小説「夕立」はこのように終わった。夕立で突然増水した川を渡ろうと、ユン家のひ孫の少女は少年に背負われた。少女のピンク色のセーターのすそは、少年に背負われた時についた水で赤黒く染みていた。病状が悪化した少女が死んで、あの少年はどうなったのだろうか。

黄順元生誕100年を迎え、彼が生前に教鞭を取った慶熙(キョンヒ)大学出身の小説家、全商国(チョン・サングク)、朴徳奎(パク・ドクキュ)、徐河辰(ソ・ハジン)、李恵敬(イ・ヘギョン)、ク・ビョンモ氏らが、「夕立、その後」5編を書いた。小説は、大山(テサン)文化財団の「大山文化」2015年夏号に収録された。

全商国氏の「秋をする」で、少年は中学校2年生「ヒョンス」になった。少女は死んだが、少年の心の中では幼い頃のまま生きている。中学生になった少年は、少女が自分に投げた石を捨てていなかった。心の中の少女は「今日も夕立が降ればいい」と話しかけるが、ヒョンスは「夕立が降っても、お前は来ないんだろ」と落ち込む。そんなヒョンスは、担任の先生がしきりに目に映る。「なぜ先生のことを考えるの」という少女の声で、思春期に入った少年の成長がうかがえる。

徐河辰氏の「再び、夕立」では、少女が死んで3年が流れた。少年は夜になると、ピンクのセーターを着たまま埋葬された少女の墓に行く。そこで歌を聞かせ話をする。ある日、少女と似た、姓がユンの少女に会う。少女の正体が明らかになる瞬間、夕立がぽつっと落ちる。

都市の工場に就職し、タバコも吸える大人になった少年も描かれている。李恵敬氏は「消えない黄土水」で、大人になっても少女のことを忘れられない切なさを描いた。大人になった少年は、ある雑誌で少女に似た女子学生を見て、破ってポケットに入れる。「機械の付属品扱いを受けて萎縮した心は、その紙をいじっていると、朝日を浴びる朝顔のように爽やかになった」。

朴徳奎氏は「人の星」で、地球を離れた星の国の少女の独白をファンタジーで描いた。ク・ビョンモ氏は、「妨害」で、少女が死んだ後、飛び石を渡ることができない悲しい少年の話を書いた。



tigermask@donga.com