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がん細胞の自殺を誘導する新しい抗がん物質、韓国国内研究チームが開発

がん細胞の自殺を誘導する新しい抗がん物質、韓国国内研究チームが開発

Posted March. 17, 2015 07:19,   

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韓国国内研究グループががん細胞を有効に殺せる新しい抗がん候補物質を開発した。動物実験では副作用もほとんどなかったという。

延世(ヨンセ)大学化学科の愼寅宰(シン・インジェ)教授チームは、がん細胞を保護する「熱衝撃たんぱく質(HSP70)」を破壊して、がん細胞の自殺を誘導する「アポブトゾル」という物質を新たに開発したと、16日明らかにした。

HSP70は、一般細胞に熱や衝撃が加えられた時、細胞を死なせない役割を果たしているが、がん細胞では抗がん剤耐性を作って、がん細胞を守っている。このたんぱく質を抑制する薬物が抗がん剤として開発されたのは今回が初めてだ。

愼教授チームは、新抗がん物質の効果を動物実験で立証した。マウスの肌に人間の肺がんや結腸癌、子宮頸がんの細胞組織を移植した後、2日に一度の割合で2週間、アポブトゾルを投与した。その結果、がん組織のサイズが肺がんは61%、結腸癌は65%、子宮頸がんは68%減少した。従来の抗がん剤の短所だった体重減少や下痢、治療と関連した死亡などの副作用もほとんどなかった。

また研究チームは、すでに抗がん剤として使われている「毒素ルビシン」という薬物をアポブトゾルと一緒に投与すれば、抗がん効果がより一層高まることも突き止めた。子宮頸がんにかかったマウスに、アポブトゾルと毒素ルビシンを投与した時、がん組織がアポブトゾルでは68%、毒素ルビシン61%減少したが、この二つを一緒に投与した時は81%も減り、効果が大きくなることが明らかになった。

愼教授は、「アポブトゾルを従来の抗がん剤と一緒に使用すれば、副作用を減らしながら抗がん効果はさらに高めることができると見られる」とし、「今回の成果は優れた新しい抗がん剤開発に貢献するだろう」と語った。

この研究結果は、科学ジャーナル「セル」の姉妹紙「ケミストリー&バイオロジー」の3月13日付に掲載された。



enhangced@donga.com