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「夢の中でも生徒らが…」 トラウマで悪夢にうなされる民間ダイバーたち

「夢の中でも生徒らが…」 トラウマで悪夢にうなされる民間ダイバーたち

Posted May. 13, 2014 06:55,   

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指の先に感触が伝わった。さらに深く手探りした。頭や胸、腕。ベッドのマットレスが抑えられている。それを持ち上げた。遺体を取り出した。左の脇に抱えたまま、船体を抜け出してきた。目の前を遮るさまざまな浮遊物。視野は10センチ足らずだった。民間人ダイバーのイ・サンジン氏(49)は最近、なかなか眠ることができない。遺体の幻影がちらつくからだ。

旅客船セウォル号の行方不明者の捜索作業が続いている中、民間人ダイバーらは、精神的衝撃によるトラウマ(精神的外傷)や悪夢に苦しんでいる。ダイバーらは、続いている捜索作業のため、心理治療や精神健康医学科の治療は、到底受けられそうもない。セウォル号の死亡者の遺体を、30数人を見つけ出して、取り出してきたイ氏は、12日、東亜(トンア)日報との電話インタビューの中で、「このまま放置すれば、ダイバーらな精神的に危険な状況に追い込まれる」と話した。イ氏は、オンディンリベロのバージ船で捜索作業を取り仕切っている。

イ氏は、仲間のダイバーらが、夜に眠れなかったり、悪夢に苛まれたりしていると訴えた。バージ船上のコンテナで寝る時、何人かのダイバーらは金縛りに見舞われる。先日も、1人の同僚ダイバーが、寝ていたところ、いきなり、「その区域、そこにまだ1人の遺体が残っている。取り出さなきゃ!」と、寝言を言いながら悪夢に苦しんだ。イ氏は、「遺体を見れば、その姿が何日間も脳裏から離れず、見つけた遺体を取り出すことができなければ、強迫観念に苛まれる」と話した。

捜索作業中、危険できつい仕事は、経験の多い民間人ダイバーが主に引き受けている。海洋警察のダイバーと一緒に、2人1組で船体まで近づけば、海洋警察は船体の外壁やガラス窓で、空気ホースをつかんで待機する。崩壊が進んでいる船体内部に進入し、手探りしながら、遺体を見つけるのは、民間人ダイバーの仕事だ。

イ氏は、「恐怖に慄(おのの)きながら作業しているのに、それを表せないのが今の我々の置かれている状況だ」とし、「作業の終わったダイバーらが、気楽に心理的治療を受けることができるよう、居住地周辺の病院を、政府が指定してほしい」と話した。さらにイ氏は、「私はかつて、何度も遺体を捜索した経験があるが、それでも精神的に大変きつい状態だ。バージ船には、遺体収拾がはじめてのダイバーもいる。彼等がどれほどきついか、果たして想像できるだろうか」と聞き返した。