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[社説]孤立・飢餓を招く北朝鮮のミサイル挑発

[社説]孤立・飢餓を招く北朝鮮のミサイル挑発

Posted December. 03, 2012 08:58,   

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北朝鮮が予告した長距離ミサイル発射は、国連安全保障理事会の制裁決議を違反した深刻な挑発だ。安保理は決議1718号と1874号を通じて北朝鮮が弾道ミサイル技術を利用したいかなる種類のロケットの発射も禁止した。安保理は、北朝鮮のミサイル発射を核兵器運搬手段を確保するための試みと見ている。

間もなく1周年を迎える金正恩(キム・ジョンウン)体制の長距離ミサイル発射の試みは2回目だ。金正恩第1書記は今年4月13日、祖父・金正日(キム・イルソン)主席の生誕100年の2日前にミサイルを発射したが、失敗に終わった。今回は、父・金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去1周忌である17日前後を選んだ。ミサイル発射を時代錯誤的な3代世襲の祝砲に使おうとしている。北朝鮮は、長距離ミサイル発射のために8億5000万ドルを投じた。北朝鮮住民1900万人の1年分の食糧であるトウモロコシ250万トンに相当する巨額だ。北朝鮮の1年の食糧不足分が40万トンだ。この金を食糧購入に充てれば、6年間、住民の飢えを解決することができる。発射場の建設費用を除いてもロケットと衛星開発費4億5000万ドルが無駄になる。「住民に節約しなくてもいようにする」と言っていた金第1書記の今年4月15日の約束とも一致しない。

北朝鮮は、中国の習近平総書記の特使が訪朝を終えて帰国した翌日の1日、発射計画を発表し、国際社会のもしやという期待に冷水を浴びせた。北朝鮮がミサイルを発射すれば、中国も北朝鮮の肩を持つ発言をむやみにできなくなる。金第1書記がスイス留学の経験があることから変化を期待した周辺国の目にも、国際社会に挑戦する無謀な指導者と映るだろう。発射を強行すれば、北朝鮮の孤立は深刻化し、住民はさらに苦痛を強いられることになる。

北朝鮮のミサイル挑発には、19日の韓国大統領選挙を控えて韓国内の対立を煽ろうという策略も含まれている。統合進歩党は、韓国の「羅老(ナロ)」号と北朝鮮の長距離ロケットは違いがないという論評を出した。このような「従北」政党に大統領選挙用に国庫補助金を27億ウォンも支給したとは、自由民主主義体制を揺さぶることに使わないか心配だ。朴槿恵(パク・クンヘ)、文在寅(ムン・ジェイン)大統領候補は、ミサイル発射に対して確固たる反対の意志を明らかにし、次期政府が北朝鮮の挑発を容認しないことを金第1書記に認識させなければならない。