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[オピニオン]金正恩の傍の小姑と義姉

Posted August. 10, 2012 07:52,   

金正恩(キム・ジョンウン)時代の北朝鮮で、最も華やかなスポットライトを受けている二人の女性は、ほかならぬ李雪主(リ・ソルジュ、23)と金汝貞(キム・ヨジョン、25)だ。先月末、北朝鮮の国営放送を通じ、急きょ公開されたファーストレディーの李雪主は、その後金正恩の13度の「現地指導」のうち9度に同行し、破格を示した。優れた美貌や「江南(カンナム)」スタイルのファッションで目を引いている。昨年12月、父親の金正日(金・ジョンイル)の葬式で、憔悴しきった姿で、絶えず涙を流していた「か細い女」の金汝貞の目立つ言動は、北朝鮮では引きとめられる人などいない。

◆李雪主は、北朝鮮が「朝鮮の母親」と祭り上げてきた金正淑(キム・ジョンスク)のイメージとは似ても似つかない。大変目立つスタイルの李雪主は、金正淑や金聖愛(キム・ソンエ)のように、チマチョゴリをまとわない。遊園地で金正恩と腕を組んで歩いたり、イルカショーを見ながら、笑い転げるなど、感情を隠さない。金正恩の後見人の役割をしている叔父の張成沢(チャン・ソンテク)や叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)夫婦や、70代の革命元老たちが立ち並んでいるのに、怯む気配など全くない。

◆金正恩と同様に、金正日と高英姫(コ・ヨンヒ)との間に生まれた金汝貞は、自由奔放さを越え、「果たして誰があの若い女をコントロールできるだろうか」という気さえしている。先月末、平壌(ピョンヤン)・綾羅(ヌンラ)人民遊園地のオープン記念行事を撮った朝鮮中央テレビの動画を見れば、政府や党、軍の実力者たちが一糸乱れぬ様子で立ち並んでいるなか、金汝貞は花壇をピョンピョンと飛び回っていた。兄の金正恩が厳粛な姿で、挙手敬礼する姿を、遠くから眺めながら、耐え切れないという表情で笑いを噴出した。資本主義の寵児ともいえるディズニーキャラクターや北朝鮮流の「ガールズグループ」が登場した牡丹峰(モランボン)楽団の公演は、金汝貞がプロデュースした作品だという噂も出回っている。

◆まだ、2人の女性が一堂に会したことはない。李雪主は、中国で声楽を専攻し、金汝貞は、スイス・ベルンで勉強した留学派という共通点がある。しかし、北朝鮮とはいえ、人間の基本的気持ちは違わないだろう。金天沢(キム・チョンテク)の「駙丘永言(チョングヨンオン)」に紹介した「時調」(韓国固有の定型詩)は、嫁の口を借りて、小姑は「3年間編んだマンテギ(網で編んだ袋)の新しい錐の先のように鋭い」と歌った。大叔母の金敬姫(66)の鋭い剣幕や、金正日を最後まで見守った「事実上の妻」金玉(キム・オク)(48)もまだ健在だ。「幼い将軍」金正恩を取り巻いている女性パワー4人が、どのような組に分けられ、対立するか気になる。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com