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[オピニオン]「一陣」掃討後の校内暴力組織

[オピニオン]「一陣」掃討後の校内暴力組織

Posted February. 13, 2012 09:24,   

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誇りの強い一陣(イルジン)らは、自らを「一陣」ではなく、「一真」」だと主張する。「自分こそ真なるトップ」と言う意味だ。喧嘩に限ったことではない。スポーツやダンス、歌、外観などでも、自分なりに最高だと言う子供らが一陣をなしている。そこには成績に優秀な優等生もたびたび仲間入りする。一陣の中には、学級委員も多い。一陣らは、暴力で学校を我が物にし、それから優等生の取り込みに乗り出す。組織の存在感を高め、教師からの笠にするためだ。ソウルS中学校の一陣、ユン某君は、「『優等生』が仲間に入っていれば、先生らもあまり手をつけず、『優等生』の母親らは、影響力が多く、有事の際は我々の肩を持ってくれる」と主張した。優等生の立場からは、「遊びまで上手だ」と言う優越感を手にし、イジメを受ける心配が減り、なかなかよい取引だ。

◆教師らに「非行の現場」がばれた一陣らは、「うちには内緒にしてほしい」と言う言葉を並べ立てる。先日拘束された京畿道驪州郡(キョンギド・ヨジュシ)の一陣も、「少年院に送られるのは平気だが、周辺に知られるのは怖い」と話した。他人のプライドはなりふり構わずふみつぶしても、自分の誇りが傷つくのはたまらない。「殴りながら悪いと思う時もあるが、だからとって『馬鹿な目』は見たくない」という見栄で耐える。中央(チュンアン)大学・青少年学部の林英植(イム・ヨンシク)教授は、「青少年期には他人の評価に敏感になり、特に、友人らに対しては素敵な存在でいたいと思いたがる」と分析した。序列を重視する学校で、成績でだめなら、力ででも影響力を確認しようとする欲求が、一陣の土台となっている。

◆成績で存在感を発散できない大半の生徒にとって、一陣は恐怖であり、羨望の対象でもある。一陣らが身につける60万ウォン台のノースフェイスのジャンパーが、生徒らの「ワナビーアイテム」になったのも、そのような線上でのことではないだろうか。大人らが社会で成功したがるように、子供らは学校で、格好良くなりたいと思う。一陣の下には、彼らを護衛する二陣がすでに陣取っている。一陣が転校させられたり、少年院に送られたりすれば、大リーグへの進出を狙うマイナーリーグ選手のように、彼らが空きを埋め尽くす。人が変わるだけで、一陣は続くことになる。生徒らが教師に被害内容を告げようとすれば、「死ぬ覚悟」が必要な理由でもある。

◆警察が、校内暴力を無くすため、一陣の掃討に乗り出している。一陣はしばらく消えても、一陣になりたいと思う欲望は消えないような気がする。今のように、教室の中での競争が激しいほど、子供らは人情にさらに渇きを覚えるはずだからだ。一陣に空きが出るのを待っていた二陣や三陣らにとっては、今回がチャンスなのかも知れない。

シン・グァンヨン社会部記者 neo@donga.com