数十億ウォン以上を保有している大口資産家だけを顧客にしているある大手証券会社のプライベートバンキング(PB)センターのPチーム長は最近、数人の歌手や芸能人を客として確保した。芸能番組の経済関連コーナーの諮問を通じて、数年前から関係を作ってきたことが功を奏した。
彼らの投資金額は、1人当たり5000万ウォンから1億ウォン程度と、VVIPとしては少ない方だ。しかし、Pチーム長は、「最近、YGエンターテインメントの『公募大ヒット』からも分かるように、韓流ブームに乗って、国内エンターテインメント産業の成長の勢いは激しい」と言い、「当座の投資金額よりは、潜在力に重みを置いて管理している」と語った。
芸能やスポーツスターらが、証券会社のVVIP級PBセンターの新たな「大口」として急浮上している。韓流ブームに乗って、芸能界の新興富豪が相次いで誕生しており、プロスポーツでも、年収とは別に、数億ウォンの契約金を一気に手にするスポーツ選手が増えているからだ。彼らを獲得するために証券会社各社の「セレブ(有名人物)営業」の競争も同様に過熱している。
●証券会社の「新たな大口」
大口資産家に劣らぬほど、収入を上げているが、これまで有名人と証券会社とはあまり縁が無かった。彼らの投資関心は主に、不動産に集中していた上、株式投資をしても、隣人の情報に頼ることが多かったからだ。
ところが、ブローカレッジ(委託売買)から資産管理強化へと転じた国内証券業の「パラダイムの転換」と、スターらの体系的な資産管理需要の増加という利害関係がかみ合い、状況が変わった。大宇(テウ)証券のソン・ソクジュンPBマーケティング部長は、「芸能・スポーツスターらが大口客になることが頻繁になっている」と言い、「彼らを獲得するためには、営業範囲を拡大せざるを得ない」と話した。
スターらの立場からも、証券会社の専門的資産管理への需要が高まっている。キャッシュフローが一定しておらず、未来が不安定な職業柄、彼らの最大の関心事は、老後への備え。これまで収益型不動産への投資や起業が多かったことも、同様の理由からだ。彼らの需要を満たすため、証券会社各社のPBらは、様々な分野のネットワークを基にしたコンサルティングのみならず、税務や法律問題まで処理を引き受けている。実際、国民的人気のあるスター歌手を顧客に獲得したある証券会社のPBは、「執事になりきって客をもてなしている」と伝えた。
●有名人へのマーケティング、日増しに過熱
VVIP営業の経験の豊富なある証券会社の営業担当役員は、先日から親しい野球球団やバスケットボール球団に直接足を運び、投資説明会を行っている。球団の関係者や該当チームのメンバー全員が対象だが、目標顧客は、知る人ぞ知るスター選手らだ。彼は、「ネットワークや情報力不足で、投資に失敗するスター選手らが意外と多い」とし、「市場の現状についての説明と共に、彼らが共感できるオーダーメード型投資戦略や商品を示せば、大きな関心を示す」と主張した。
有名人を誘致するために、自社の広告モデルや後援番組に出演した芸能人との親しみを活用するのが基本だ。運動選手らの集まりに出席したり、ファンクラブ活動やテレビ局のコネを通して、芸能人の紹介を受けたりもする。最近、大宇証券は、自社の広告モデルである映画俳優、朴海日(バク・へイル)が、汝矣島(ヨイド)店のPBセンターの客になったと、芸能・スポーツスターを対象にした営業強化の意志を公に表明したこともある。IBK投資証券のユ・ジョンソプ取締役は、「芸能・スポーツ産業が発展した先進諸国はすでに、彼らを対象に、特化したPBサービスが活性化している」と主張した。
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