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[オピニオン]カダフィに与えられた人権賞

[オピニオン]カダフィに与えられた人権賞

Posted March. 02, 2011 08:23,   

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反米は、民族、自主、反帝国、反外勢と共に、韓国左派を貫いてきた代表的なコードだ。左派にとって反米か親米かは、善悪を分ける絶対的な基準である。クーデターで政権を獲得し、腐敗していても、反米ならば崇拝対象、親米なら無条件で打倒対象だった。70年代、反体制左派勢力が、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席と共に、リビアのカダフィ、キューバのカストロのような反米独裁者を英雄視したのもそのためだ。

◆仏教界の代表的な左派といわれるジングァン僧侶は、02年6月、「民衆の声」に、「私たちにはカダフィのような指導者がいないのか」と嘆く文を書いた。そして、「カダフィ大統領は、米国を追い出しても豊かな国になった。私たちも、米国がいなくても、良い暮らしができるという模範をリビアから学ばなければならない」と一喝した。42年間、鉄拳統治をしてきたカダフィ大佐は、今、民主化を求める国民を殺戮し、全世界から退陣の圧力を受けている。「リビア民衆は幸せな毎日を送り、人間を最重要に考えて暮らす模範的な国になった」といったジングァン僧侶の最近の心情はどうか。

◆「左派の代父」だった故李泳禧(イ・ヨンヒ)教授も、生前、カダフィ大佐を称賛した。彼は、自叙伝「対話」(05年)で、「新生独立国家のリビアで、クーデターで西欧帝国主義の傀儡王朝を転覆したカダフィは、直ちに西側帝国主義の資本が所有していた油田の国有化を断行した。これは、アラブ世界の人民が決定的に西側資本主義の搾取を拒否する抵抗だった」と評価した。さらに、「国内の現実から受ける窒息と絶望の状態から解放されるような喜びを感じた」と回顧した。

◆90年の設立以降、反米活動をしてきた仏教人権委は、03年、カダフィ大佐に仏教人権賞を授与した。「自由と正義、平等の大義を支援するために遂行してこられた先駆者的役割を高く評価し、高貴な性品に対する賛辞と平等で公正な社会建設を主唱するヒューマニズム的思想に全幅の信頼を送る」という受賞理由が添えられた。仏教人権委は、96年と01年の2度に渡り、リビアを訪れ、リビア親善協会も作った。左派の理想郷が、カダフィのリビアだったというから寒気がする。カダフィ大佐はただ自分だけが生き残るために、今でも自国民を虐殺している。彼は悪魔だ。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員maypole@donga.com