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[オピニオン]韓国戦争を巡る教育とパルチザン教育

[オピニオン]韓国戦争を巡る教育とパルチザン教育

Posted September. 11, 2010 03:04,   

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今月15日、仁川(インチョン)の月尾島(ウォルミド)では、仁川上陸作戦60周年の記念行事が行われる。しかし、仁川市内の9つの小中高校生らを参加させる計画は、白紙となった。仁川市教育庁が先月、各学校に通達した国防部の協力公文を、2週間後、「校長の自主的判断により、授業に支障が生じないようにすべきだ」という公文に書き直して送ったためだ。担当の奨学官は、「教育庁による自主的判断だ」と明らかにしたが、後味が悪い。韓国戦争を巡る行事への参加は、教育ではないとでも思っているのか。

◆慶尚北道尚州(キョンサンブクド・サンジュ)でも、同様の出来事が起きる兆しを見せている。韓国戦争勃発の翌日に繰り広げられた化寧(ファリョン)市戦闘での戦勝記念行事が、10月8日から3日間、現場で行われる。尙州教育庁も、生徒の参加を要請する国防部の公文を、現場の学校に伝えたものの、全国教職員労働組合(全教組)や一部の保護者団体が反発している。全教組側は、「戦争を教える非教育的な動員令」と言い、「学習権への侵害だ」と主張した。全教組・慶尙北道支部は、「平和について教え、統一を教えるべき時期に、戦闘映像や韓国戦争の歌の合唱で、再び戦争をあおるとでも言うのか」と主張した。これについて教育庁は、「自主的に参加するよう公文を送ったのに、強制動員だなんて、戸惑うばかりだ」と述べた。

◆最近の調査結果によると、韓国戦争がいつ勃発したのか知らない中高生が57%に上る。ひどい場合は、北朝鮮による韓国侵略ではなく、北朝鮮への韓国侵略と知っている小中高校生が35%にも上っている。軍民合同調査団による哨戒艦「天安(チョナン)艦」沈没事件の調査結果を信じていない国民が、30%を上回ることも、このような状況と無縁ではない。児童・生徒を韓国戦争関連記念行に参加させるのは「戦争教育」であり、全教組教師が中学生らを連れて、パルチザン追悼際に参加するのは、平和統一の教育とでもいうのか。1、2審の裁判所は、そのような教師に対し、無罪を言い渡した。

◆昨今の学校では、韓国戦争の真相や教訓をきちんと教えていない。自由や民主、経済繁栄を享受している今日の大韓民国は、韓国戦争の時に犠牲となった20万人あまりの国軍や国連軍参戦兵士がいたからこそ、可能だった。自由民主主義の体制の下、経済発展の恩恵を享受する生徒らに対し、飮水思源の気持ちを教えなければならない。韓国戦争を巡る教育を、「戦争教育」やら「強制動員令」やらと批判する人々は、果たして何を教えるつもりなのか。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com