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[社説]弊害の多い学長選びの直接選挙、国民銀行に移植しようとするのか

[社説]弊害の多い学長選びの直接選挙、国民銀行に移植しようとするのか

Posted July. 22, 2010 08:42,   

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KB金融グループは、国民(クンミン)銀行の行員2万600人あまりから約1300人を選び、頭取適任者を問うアンケート用紙を郵送した。昨日まで回収されたアンケート用紙を集計し、頭取候補12人から上位3人を選定。取締役会の面接を経て、頭取を決める計画だ。

外部から抜擢され組織の内部事情に詳しくない魚允大(オ・ユンデ)会長が、行員らの意見を把握したいという純粋な意図からこのようなやり方を選んだとしても、人気投票のような頭取候補アンケートが少なからぬ後遺症を残すのは、日の目を見るより明らかだ。過去、国民銀行、住宅銀行、長期信用銀行の3行が合併して今日の国民銀行になってから燻っていた出身銀行の行員間の対立と反目が、今回の頭取候補の人気投票をきっかけに、再び表面化するだろうという懸念の声が上がっている。

同銀行の行員らは先週末、出身銀行別や出身商業高校、出身大学別に分かれて集まり、自分らの縁故者を頭取にするため、ひざを突き合わせて話し合ったという。このような様子は、「金融先進化」とはとても程遠い、極めて退嬰的なものだ。アンケートから頭取候補を絞り込むやり方は、金融機関まで「政治的なポピュリズム」の渦に巻き込み、人事に対する労組の影響力を拡大する恐れがある。

魚会長は、大学学長選びの直接選挙制度の亜流とでもいうべき弊害の多い方式を選んだことで、経営陣の固有権限である人事権を自ら揺さぶる結果を招いた。上位3人の中から選出できるが、行員の直接投票で1位だった候補者を排除した場合、新たな波乱含みの展開になりかねない。

魚会長は、頭取選任以降の人事を行うたびに、労組の意向を聞いて人事発令を出すつもりなのか。そのように選任された頭取が、果たして所信を持って銀行経営ができるかも疑問だ。国民銀行は、行員数に比べ生産性が低く、思い切った構造改革が必要だ。強力なリーダーシップを発揮し、先頭に立って構造改革に取り組むべき持ち株会社の会長が、頭取の選任問題から労組と行員らの顔色を伺うのでは、構造改革がうまくいくはずがない。

魚会長は、高麗(コリョ)大学学長時代、高麗大学のステータスを一段階レベルアップさせたと評価されたが、「不適格投票」という一種の教授人気投票で落選し、再任に失敗した経験がある。学長選びの直接選挙のひずみを誰よりもよくわかっているはずの彼が、大学で失敗した制度をなぜ銀行に適用しようとするのか理解に苦しむ。

誰が国民銀行の頭取になるかはさておき、直接選挙で頭取を選ぶことによる副作用の解決が緊急課題として浮上した。このような制度が、ほかの金融機関に拡大してはならない。