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[オピニオン]観光公社社長、李チャム

Posted July. 30, 2009 08:20,   

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政府は、韓国観光公社新社長にドイツから帰化した李チャム氏を任命した。李氏は、外国出身として韓国内の公共機関で最高位職に就いた最初の人物になる。李氏は1978年、韓国に定住して以来、MBCドラマの「第5共和国」で米中央情報捜査部(CIA)韓国支部長役をはじめ、テレビドラマに頻繁に姿を現し、企業アドバイザー、大学の講義など、多様な活動を行ってきた。彼の起用は外国出身者を抜擢することにより、韓国観光公社の運営を観光の需要側を中心に改革させるという政府の意志が反映されたものだ。

◆今年に入り、円高の影響で日本人を筆頭に外国人観光客が増えたのは確かだが、韓国の観光競争力はそれほど高くない。世界経済フォーラム(WEF)が発表した09年観光競争力指数では、133ヵ国のうち31位だった。同じアジア圏の香港(12位)や日本(25位)に比べ、低い順位だ。世界同時不況が発生した昨年10月以後、韓国人の海外観光が激減し、一時、年間100億ドルを越えた観光収支赤字が黒字へ転じたものの、何より為替相場の影響が強かった。

◆観光の魅力が、ただ自然資源や文化遺産だけにあるわけではない。世界文化遺産44件を保有し、同じ分野で世界トップのイタリアは、WEF観光競争力の集計で、我が国より少し上の28位に止まっている。我が国の観光環境は、そんなに悪い方ではない。ユネスコ指定世界文化遺産を10件を保有し、世界トップレベルの空港、情報通信と大衆交通のインフラ、高い治安水準を誇る。問題はとんでもなく、高い価格と外国人に接する国民の態度、ソフトウェアにある。

◆新任の李社長は、あるアンケート調査で回答者の53%の支持を受けており、「最も韓国的な世界人」に選ばれたことがある。彼はこの結果について、「韓国で生活してもう30年経っているが、まだ私は外国人と見られている」とし、「コスモポリタン意識の欠如」を残念がった。文化的な自尊心の高いフランスが鄭明勲(チョン・ミョンフン)氏にバスチーユオペラの指揮を任せたことのように、国立国楽院長を外国人に任せようという提案もした。韓国的な観光コンテンツの開発と開放的な気持ちを強調した彼が、外国人の目線で我が国の観光競争力を高めてくれることを期待する。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com