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[オピニオン]警察の捜査力に疑問符

Posted February. 24, 2009 04:47,   

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水原(スウォン)地検安山(アンサン)支庁は一昨日、連続殺人犯カン・ホスンを起訴する際、警察が突き止めた7人の女性に対する殺害への疑いの他に、放火殺人の疑いを追加した。検察はカン・ホスン容疑者が05年10月、保険金目当てで妻の実家に火をつけ、寝ていた妻、義母を死なせたと結論付けた。検察が起訴した放火殺人の疑いに対し、カン・ホスン容疑者による自白や直接的な証拠が確保されていない状態で、裁判で真実への攻防が繰り広げられる公算が高い。

◆検察が新しく突き止めた証拠資料によると、カン・ホスン容疑者の放火への疑いは、事実である可能性が高い。検察は屋内に燃えた跡と床からすぐ天井に火が広がったのは、揮発性の物質による火災時に、見られる様子だと発表した。火災当日、現場にあったプラスチック容器が3日後に消え、カン・ホスン容疑者が火災の翌日、防犯窓から現場へ密かに入っていた事実も突き止めた。検察はこれを根拠に「蚊取り線香による火災」という警察の3年前の捜査結論を覆した。火災当時、気温が3.7度と肌寒く、人が寝た居間に蚊取り線香を焚く必要がなかった。

◆カン・ホスン容疑者が、火災発生5日前、急に4番目の妻との婚姻届けを提出し、火災直前、2件の保険に入ったのも、放火の疑惑を追加するのに十分だ。検察は火災当時、「ゴーン」という音を聞いたという住民の供述も新しく確保し、揮発性物質による放火であることを裏付けた。警察が閉鎖回路(CC)テレビを判読し、カン・ホスン容疑者を検挙したのは、科学捜査の快挙だと言えるが、保険金目当ての殺人の疑いに対しては、捜査がこれほどずさんに行われたものかと、もどかしい気持ちがぬぐいきれない。カン・ホスン容疑者が畜舎に残しておいたツルハシからも、警察が探し出せなかった女性2人の遺伝子が新しく検出された。

◆検察の捜査結果を見ると、警察が火災事件の捜査をきちんとしていたら、カン・ホスン容疑者の連続殺人を食い止められたのではないか、という推論が可能になる。これまで明るみに出たカン・ホスン容疑者の連続殺人は、放火事件11ヵ月後の06年9月に始まった。警察は「完全犯罪はない」という事実を潜在的な犯罪者らに分からせるべきだ。今もどこかで警察の捜査力を鼻で笑いつつ、第2のカン・ホスン容疑者が、犯罪を犯しているかも知れない。警察の存在理由は、市民の生命と安全を脅かす犯人を最後まで追跡し、逮捕することにある。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com