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[オピニオン]メッセージ・コンサルティング

[オピニオン]メッセージ・コンサルティング

Posted November. 24, 2008 03:10,   

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金大中(キム・デジュン)元大統領の夫人・李姫鎬(イ・ヒホ)女史は最近、自叙伝『同行』で、夫を迫害した朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の夫人・陸英修(ユク・ヨンス)女史に対して、「温かい心を持った方」と評価し、注目を引いた。小説家の南智尋(ナム・ジシム)氏は、陸女史の評伝『慈悲の香り』で、「毎年、陸女史の墓をお参りする約2000人が平凡な庶民であることに驚く。約30年の時間を遡る追悼の行列は、非情で虚しい権力の属性を崩す不可思議な力だ」と書いた。

◆作家の洪夏祥(ホン・ハサン)氏は、陸女史が、長い歳月にわたって庶民の心の中で生きていることは、「真心の力」のためだと分析する。「常に貧しい人々に会い、苦しむ人々の味方になって涙を流した女史の真正性こそ、国民が好意をもつ最も政治的な振る舞いだった」(『大韓民国ファーストレディ・育英数』)と指摘する。プロの政治コンサルタントや広報専門家がなかった時代だったが、陸女史は真正性を土台に、国民にこのようなメッセージを伝えることに成功した。

◆ニクソン、フォード、レーガン、クリントンの4人の大統領の下で大統領顧問を務めたデイビッド・ガーゲン氏は、著書『権力への証言(Eyewitness to power)』で、優れた大統領の第1条件として、「大衆の心を動かすことができる能力」を挙げた。レーガン元大統領の場合もそうだった。経済が暗闇をさ迷う時、レーガン元大統領は、「米国を救うためにワシントンに来た心優しいおじいさん」として国民の心に刻まれ、成功することができた。国民を感動させる能力なら、バアク・オバマ次期大統領も後れを取らない。ところで、その能力はどこから来るのか。それは、まさに真心である。

◆大統領府が、8・15建国史に続き、来年の新年のあいさつの作成も、有名コンサルティング会社に任せる計画だという。メッセージの内容だけでなく、文章や単語にまで神経を使い、国民に何か感動を与えるためだろう。しかし、重要なことはテクニックではなく、心のこもった内容である。大統領リーダーシップ研究所の崔進(チェ・ジン)所長は、「最高のエリートが集まった大統領府で、演説文の作成を他人に任せることからが、国民が何を願っているのかをわかっていない証拠だ。それさえわかれば、コンテンツは自然に出てくる」と話した。経済が苦しければ苦しいほど、心から国民を慰労することよりも良いメッセージはないだろう。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com