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グローバル金融危機が広がる中、米国や欧州は資金市場で資金を流動させるため、電撃的な措置を発表するなど、足並みをそろえる動きを強めている。
欧州では英国が銀行再生のため、大規模な救済金融の投入を決定しており、ほかの国でも預金者の動揺を防ぐため、預金保護の限度を増やしている。
米国の中央銀行は企業の資金難解消のため、企業手形(CP)の買い付けプログラムを稼動させたのに続き、「金利引下げ」カードを投入する勢いだ。
米国や欧州の政策当局はひとまず、市場で資金が流動し始めれば、金融システムが正常に戻るものと見ているが、市場では依然として緩和される兆しが見えない。
●欧州の緊迫した動き
英国は銀行システムの崩壊を防ぐため、500億ポンド(約122兆ウォン)の投入を決めた。
ダーリング財務長官は8日、株式市場の取引開始直前に、公的資金を投入して8つの大手金融機関の資本を増強すると発表した。
8つの金融機関とはHSBCやスタンダード・チャータード、バクレイズ銀行、アビー銀行、HBOS、ロイズTSB、ローヤル・バンク・オブ・スコットランドの大手銀行と、最大手の住宅組合「ネーション・ワイド・ビル・ソサエティ」だ。
英政府はこれらの金融機関に資本を投入し、その見返りとして優先株を取得することになる。政府がこれらの金融機関の持分を取得する「部分的な国営化」である。
政府は税金で公的資金を投入する負担を減らすため、経営陣の報酬上限制を導入し、一般株の利益配当金を制限するなど条件をつけた。
今回の英国の救済金融は不良資産を買い付ける米国の救済金融とは異なって、1990年代、スウェーデンが金融危機に見舞われた時の措置と似ていると、専門家らは分析している。
また、英政府は資金の貸し借りを渋る金融機関同士の不信感を解消し、融資が円滑に行われるように、最高2500億ポンドを提供する特別融資保証機関の設立を決めた。
スペイン政府も7日、金融市場の支援のため、300億ユーロ規模のファンド助成を発表した。
フランスも国民の税金で、銀行の持分を取得する案を検討している。
フランスのサルコジ大統領は7日、「銀行の倒産を放っておかないだろう」と述べ、「国内銀行が倒産危機に直面すれば、政府が持分を取得する方式で救済する準備ができている」と話したと、政府のシャテル報道官は伝えた。
●バーナンキ、「米の景気低迷は来年まで続く」
米連邦準備制度理事会(FRB)は7日、短期資金市場の信用不良の緩和のため、各企業や銀行が短期資金の調達のために、発行する企業手形(CP)の買い付けを決定した。
FRBはこれまで都市銀行や一般金融機関に限ってのみ流動性の支援を行ってきたものの、企業を相手にCP買い付け方式で、資金を支援するケースは史上初めてだ。
これは米国内の短期資金市場の現状がそれだけ深刻で、危機にさらされていることを象徴するものと見られる。
これまでCPは、主にマネーマーケットファンド(MMF)を買い付けてきたが、最近、資金市場の低迷で、MMFのCP買い付けが激減し、各企業の資金調達が行き詰まっていた。これを受け、FRBが乗り出して、国民の税金でCPに投資する史上初の出来事が起きたのだ。
財源は財務部がニューヨーク連邦準備銀行に預ける資金で調達される予定だが、正確な基金の規模は分かっていない。
これまで、インフレへの懸念で金利の引き下げに二の足を踏んできたFRBは、結局、金利引下げというカードを取り出すものと見られる。
FRBのバーナンキ議長は7日、全米実体経済協会(NABE)での演説で、「米国の成長率の展望はさらに悪化し、成長の勢いが鈍くなるリスクがさらに大きくなった」と述べ、「現在の中立的な金利政策が適切かどうか、検討してみなければならない」と話し、政策金利の引き下げの可能性を示した。
バーナンキ議長はさらに、グローバル金融危機により、米国の景気低迷は来年まで続くだろうと警告した。
higgledy@donga.com pisong@donga.com