大統領府では先月、円滑なコミュニケーションのため、秘書官室の間仕切りを半透明のくもりガラスに取り替えた。大統領府の今回の措置は、現代(ヒョンデ)カードが04年に役員室の壁をガラス張りにしたことにヒントを得たものだ。実際、大統領府の関係者らは、秘書棟のオフィスをリフォームする直前に現代カードの役員室のガラス張りの壁などを見学した。
ソウル市は3月、6級以下の公務員らを対象に「人材市場」を作り、室・局が独自で職員を抜擢するようにすると発表した。これは現代カードが昨年7月から実施している社内人材市場の「キャリア・マーケット」と似ている。ソウル市の60人余りの幹部も、こうした施策が発表される直前の今年2月に現代カードを訪問している。
李明博(イ・ミョンバク)政権の発足後、公職社会が実利主義に基づいた変化を模索する中、大統領府やソウル市が相次いで民間企業である現代カードの組織管理をベンチマークとして学び注目を集めている。
実際、丁太暎(チョン・テヨン)現代カード社長は、新政権発足直後の3月、大統領府に招かれ、首席秘書官など40人余りを対象に「新しきビジネスと革新」というテーマで講演を行い、社内コミュニケーションの重要性を強調した。
現代カード側は、「コミュニケーションは人体に例えるなら『血液』のようなものだ。これを大事にする組織文化は、公務員たちに多くの示唆を与えるだろう」と話した。
14日、現代カード・キャリアマーケットの掲示板には、「現代キャピタル・オートプラン営業チームで自動車ローンの新商品を担当する社員を求む」という公告が掲載された。「入社3年目以上、課長級1年目未満、支店勤務経験者優遇。データ分析や抽出が可能な者」という条件もつけられた。
同チームは希望者の願書を受け付け、面接を通じて適任者を選抜する計画だ。このような公告は1日に平均で10〜12件掲載される。キャリアマーケットは、「社員にやりたい仕事ができるように手助けするのが最善の福祉」という哲学によるものだ。
ここ9ヵ月間、現代カード(現代キャピタル含む)全社員約1100人のうち130人余りがこの制度によって部署を変え、最高競争率は10倍に上るなど、反応は爆発的だった。
現代カードのソン・ジャンイク経営支援室長は、「行きたい部署に行くための『社内政治』がなくなり、上司たちは君臨するよりは社員とのコミュニケーションに力を入れるなど、社員の会社離れを食い止めるために『(社員が)いる間に大事にしよう』という雰囲気が作られている」と伝えた。
社員たちもやりたい業務を受け持っているので、仕事がこじれても「会社のせい」ではなく、「自分のせいだ」と考えるなど、責任感が強まり、会社の成果へとつながっている。
役員会議の「フォーカスミーティング」でも、円滑なコミュニケーションはもっとも重要な徳目だ。役員が担当業務を報告し、社長がうなずいて終わるような会議ではない。日常的な業務報告は電子文書で済ませ、この会議では役員の業務とは直接関係のない2、3のテーマについて、「口喧嘩」さながらの討論を行う。フォーカスミーティングに適応できず、会社を辞める役員が毎年1、2人ぐらいいるほどだ。
評価過程では、「人聞きの悪いことは言わない方がよい」という原則も破った。役員たちは、人事の専門家が該当役員の部下や上司など計7人と行った深層インタビューを通じて作成した分厚い報告書を受け取る。その中には、本人の欠点や昇進のために補足しなければならないことが盛り込まれている。
李ユンソク現代カード広報室長は、「金融会社の競争力は人材で決まる。評価報告書は職員の力量を最大限に発揮させるための提案書だ」と話した。
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