ソウル梅原(メウォン)小学校では、同じ科目を二人の教師が教えている。韓国人教師がまず、韓国語で講義をすれば、英語のネイティブスピーカー教師が、同じ内容を英語で説明する。いわゆる、「没入式の英語教育(Immersion English Education)」だ。英語を独立した科目として教えるより、数学や科学などほかの科目の授業を英語で行えば、学習効果が倍化されるという研究結果が出て、世界的に脚光を浴びている教授法だ。しかし、このように教えている学校は、国内には数か所しかない。
◆「英語の学習」は非英語圏の国では大きな悩みの種だが、どうすれば効果的であるかは、すでに結論が出ている。第1は早期教育だ。早く始めれば始めるほど英語が上手になる。その次は、勉強をする環境の重要性だ。英語の使用が一般化された自然な環境であってこそ、学習効果が大きい。米国に送って、英語を学ばせればもっともいいが、「没入教育」は生徒たちに、制限的ではあるものの、「自然な環境」を提供する代案だ。
◆韓国では年間15兆ウォンが、英語の私教育費としてつぎ込まれているが、実力は世界最下位の水準だ。韓国人のTOEFL受験者の平均成績は05年、147カ国のうち93位だったが、昨年は137か国中111位と、さらに下がった。韓国が基本的に英語を学びづらい環境にあることは間違いないが、その中でも、より効果的な英語教育が行われているかは疑問だ。「没入教育」のような新しい学習法が、費用の問題などで一般化されず、教師の低い質も問題だ。
◆現在、21万人を超える韓国の成人の海外留学生のうち43%の9万3994人が、語学研修のため、外国に行っていることが分かった。多くは英語を勉強する年代の学生だ。彼らは理論上、もっとも確実な道を選んだが、同時にもっとも高い方法でもある。1997年に始まった国内小学校での英語教育は、今年で10年目を迎えた。来年からは小学校の1、2年生にまで拡大される。次の世代が英語が分からなければ生きていけないとするなら、「うわべだけの教育」ではなく、「中身のある教育」が行われてこそ、「年取ってからの苦労」や「ドルの無駄遣い」を減らすことが出来る。






