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米民主党、「税金を上げて分配強化」ポピュリズムへの回帰

米民主党、「税金を上げて分配強化」ポピュリズムへの回帰

Posted November. 28, 2006 03:22,   

米民主党が、11・7中間選挙で議会を掌握し、党の経済政策モードも、従来の「ルービノミクス(Rubinomics)」からポピュリズムに変化している。

クリントン政権時代に財務長官を務めたロバート・ルービン米シティグループ経営執行委員会会長の名をとったルービノミクスの核心は、経済で市場の自律性を拡大し、貿易自由化を積極的に支持するという点だ。

しかし中間選挙後、民主党内で政府の介入を強化し、貿易自由化政策を見直さなければならないというポピュリズムが勢いを得ていると、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、エコノミストなどが相次いで報じている。

●過去に回帰する民主党

クリントン政権が発足する前までは、民主党政策の基本路線は、徹底して「親労組、反企業」だった。しかし、クリントン政権が発足し、そのような公式は壊れた。

ゴールドマン・サックス会長だったルービン氏を財務長官に迎え入れ、クリントン大統領は、一方的な福祉政策の全面的見直し、北米自由貿易協定(NAFTA)の妥結、財政赤字削減など、以前の民主党とは異なる政策を推進した。労組を含め、伝統的な民主党支持層の反対が強かったが、ルービノミクスは1990年代以降、高い経済成長率と低い失業率で、米経済の長期好況を導く原動力となった。

しかし、中間選挙が終わった後、民主党では異なる意見が力を得ている。ジム・ウェブ(バージニア州)上院議員は最近、ウォールストリート・ジャーナルに寄稿した「階級闘争」というタイトルの寄稿文で、「持てる者と持たざる者の所得格差がますます大きくなり、米国社会が『階級社会』に変わりつつある」とし、企業経営者らの高額年俸を批判した。

下院歳入委員長に内定したチャールズ・ランゲル議員も、「経済成長の恩恵は、一般労働者にも均等に分配されなければならない」と声を高める。

ルービノミクスも、貧しい階層に背を向けるわけではない。しかし、ルービノミクスの首唱者たちは、社会セーフティネットによる対策を好む。いっぽう、ポピュリストたちは、両極化の解消案として、高所得層の税率引き上げのような政府規制の強化と最低賃金の引き上げなどを要求する。

●「モードの変化」背景と影響

民主党のムードがこのように変化したのは、米国経済が長期好況を享受している間に、所得分配の構造が実際に大きく悪化したためだ。1990〜2004年で、上位1%の所得階層の実質所得は57%増加したが、残りの90%にあたる中間および下位階層の実質所得は、2%の増加にとどまった。

また、今回の中間選挙で、労組の全幅的な支援が民主党の圧勝を助けたという点も、ポピュリストたちが声を高めた理由だ。米国内の最大労組団体である米国労働総同盟・産別会議(AFL—CIO)は、オハイオ州などの接戦地域で大々的な投票参加運動を主導し、民主党の圧勝に決定的な貢献をした。そのため民主党としては、労組の声を無視することができなくなったのだ。

民主党内でポピュリストたちが主導権を握ったのは事実だが、米国の主要経済政策に影響を及ぼすには、一定の限界がある。議会内で多数党ではあるものの、圧倒的な多数ではないため、共和党と協力せずには法案処理が容易ではない。また、議会で可決された法案に対し大統領が拒否権を行使することもできる。

そのため、ポピュリズムの最大のターゲットは、貿易政策になる可能性が高いというのが、大方の分析だ。実際、議会はベトナム関連貿易法案を留保するなど、貿易自由化に対する反感を示唆した。また、民主党指導部はすでに、政府間で合意したペルーおよびコロンビアとの自由貿易協定(FTA)に対しても、政府に再交渉を求めた。このような保護主義的な色彩の貿易政策は、AFL—CIOの主張をそのまま反映したものだ。

●韓米FTAはどうなるか

結論的には明るくない。今回の選挙で、民主党内の影響力が大きくなったAFL—CIOは、シアトルで開かれた韓米FTA第3次交渉の際、韓国の労働団体とともに反対デモを起こしている。そのため、韓米FTAは、たとえ政府間の交渉が当初の予想どおり来年初めに妥結されたとしても、議会の批准を得るには、多くの難関を乗り越えなければならない。



kong@donga.com