京畿道抱川市(キョンギド・ポチョンシ)の金ビョンファン氏(仮名、37)は最近、通勤途中にセキが止まらなくなり、病院の救命救急センターを訪ねた。診断の結果、発作性(急性)ぜん息だった。似たような症状に苦しめられている職場の同僚が意外と多いという事実も、一歩遅れて知ることになった。会社が専門家に調査を正式依頼したところ、事務所周辺の車両通行量過多と各種工事から発生する微細ホコリ(PM10)が主犯であることが判明した。
ソウルなど一部大都市をはじめとして全般的に、微細ホコリによる汚染はやや改善されつつあるものの、安全地域と認識されてきたいわゆる「清浄都市」が、むしろ深刻な微細ホコリの汚染に苦しめられていることが分かった。
また、韓国の微細ホコリに関連した規制基準が、先進国に比べて非常に低く、各種汚染の防止策がそれほど効果を得られずにいることが、調査により分かった。
これは、東亜(トンア)日報が専門家らと共に02〜05年、環境部の大気環境月報とソウル市の「25自治区・大気測定網資料」や各市・道の大気測定資料を分析した結果だ。
調査の結果、昨年の全国主要都市年平均微細ホコリ汚染度は、大田(テジョン)が立方メートル48マイクログラム(1マイクログラムは100万分の1グラム)で最も低く、光州(クァンジュ、49マイクグラム)、蔚山(ウルサン、51マイクログラム)、大邱(テグ、54マイクログラム)、ソウルと釜山(プサン、以上58マイクログラム)の順だった。
しかし、清潔都市とされていた京畿道高陽市(コヤンシ)は、02年の年平均微細ホコリ汚染度は1立方メートル当たり50マイクログラムだったが、昨年76マイクログラムへと大きく上昇した。抱川市もやはり、昨年初めて微細ホコリ汚染度を調べたところ、1立方メートル当たり77マイクログラムで、環境部の基準値を越えた。
このように首都圏・中小都市の微細ホコリ汚染度が悪化しているのは、全国の自動車1539万台のうち20%を上回る350万台が同地域に登録されているうえ、大気汚染物質を排出する工場が多いためと分析された。半面、ソウルの微細ホコリ汚染度は昨年1立方メートル当たり58マイクログラムで、95年に微細ホコリの調査がスタートして以来の最小値となった。
ソウル・大田・大邱など大都市の汚染度が改善されたのは、数年前から低公害の自動車を導入し、軽油自動車の排出検査を強化したからだ。とりわけソウルの場合、昨年は清渓川(チョンギェチョン)を復元し、汚染物質が都心から抜け出る効果が大きくなったというのが専門家らの見方だ。
だが、韓国内の微細ホコリの基準値は、経済協力開発機構(OECD)の基準値である「1立方メートル当たり40マイクログラム」を大きく上回る「1立方メートル当たり70マイクログラム」であることから、各建設現場のホコリ排出を制限する基準などを強化しなければならないという見方が出ている。






