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[オピニオン]「こびへつらいのチカラ」

[オピニオン]「こびへつらいのチカラ」

Posted December. 03, 2005 04:48,   

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大統領や最高経営者(CEO)、将軍のようなリーダーは、ナルシシズム(自己愛)が強く、過度のストレスを感じると、心理学者は指摘する。トップの人間ほど、「人にどういわれようが、自分が一番正しく、自分が一番大事な存在で、世間は自分を認めるべきだ」というナルシシズムを共通して持っているということだ。外部の挑戦から組職を守り、業績を残さなければならないというストレスもあるだろう。

◆トップリーダーが、「自分をわかってくれる人がいない」と孤独を感じる時、甘い言葉でナルシシズムを満たし、ストレスを解消してくれるちゃっかりした部下がいれば、だれでもよろこぶだろう。その言葉は純粋な気持ちからの褒め言葉でもあるだろうが、度を過ぎると「こびへつらい」になる。趙己淑(チョ・ギスク)大統領広報首席秘書官は、大学教授時代に著述した『韓国は市民革命中』のなかで、「公正な評論家の役割を果たせる人が多くないので、評論家の役割を投げ出さない」と延べている。それが大統領府所属になってからは広報首席の新しい地平を切り開いている。

◆趙首席はラジオのインタビューで「大統領は21世紀を行っているのに、国民が追いついてこれない」という旨の発言をしたことがある。今回は、契約した賃貸住宅の不渡りによって家を失うところだったが、大統領の特別指示で助かったという清州(チョンジュ)に住むおばあさんに会った後、大統領府のホームページにその話をのせた。アイディアはなかなかよかったが、「庶民を思う大統領の愛情はとどまるところを知らない」という表現を、生活が苦しくなるばかりの庶民が快く受け入れるかどうか疑問だ。趙首席の大げさな言動は、与党の一部からも「あの人が大統領と党の人気を落としている」と後ろ指をさされている。大統領の周りには趙首席のような人が少なくない。

◆古今東西の権力者でこびへつらいを嫌った人はいない。こびへつらいには力がある。真実であろうがなかろうが、権力者には効果がある。こびへつらう人間を表す英語に「kiss-up,kick-down」がある。上に向かっては大統領のナルシシズムを満たすためのキスをしながら、下に向けては「敵」を蹴る人たちの姿が目に浮かぶ。

黄鎬澤(ファン・ホソク)論説委員 hthwang@donga.com