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[オピニオン]ニューライトの教材

Posted November. 09, 2005 03:02,   

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フリードリッヒ・アグネスト・フォン・ハイエク(1899〜1992)は1991年、旧ソ連の崩壊の知らせを聞くや、「見ろ、私が言ったではないか」と話した。ハイエクは、『奴隷の道』(1944)で、「社会主義は、抑圧と奴隷状態の平等を追求する」とし、社会主義の没落を予言していた。ハイエクの師匠であるルートヴィヒ・フォン・ミーゼス(1881〜1973)も、『自由主義』(1927)で社会主義の矛盾を批判し、社会主義者たちの公敵となった。二人は、市場経済と自由民主への信念を生涯守り抜いた。

◆計画経済と政府の干渉に反対した自由主義者たちは、資本主義内でも長い間、排斥された。政府の役割を強調したケインズ主義が支配的だったためだ。1970年代半ば、高い物価と失業率のスタグフレーションでケインズ処方が限界に至るや、自由主義は再び世の関心を受けるようになる。ノーベル経済学賞を受賞したハイエクは1977年のインタビューで、「社会主義を好んだ知的な流れに対する反転が始まっている。このような態度の変化は、若い世代で現実のものとなりつつある」と語った。

◆数年前から国内のキャンパスに、市場経済と自由民主の価値をしっかり学ぼうとする動きが広がっている。今秋、慶熙(キョンヒ)大学、梨花(イファ)女子大学などの主要大学の総学生会長選挙に、ニューライト系の学生運動グループが自由市場経済の尊重、北朝鮮の反人権批判などを掲げて出馬した。彼らが主に読む本は、『致命的な思い上がり』(ハイエク)、『国家経営』(マーガレット・サッチャー)、『民主主義の未来』(ファリード・ザカリア)などだという。これらの書籍は社会主義の誤り、企業活動の自由、小さな政府、開放化などの内容を盛り込んでいる。

◆最近の学生運動グループの左派も、『資本を超えた資本』(李ジンギョン)などのレベルの高い本を読むそうだ。過去386世代の主体思想派(主思派)のように、平壌(ピョンヤン)放送をオウムのように覚える大学生は、ほとんどいないというから幸いだ。弘益(ホンイク)大学経営学部の金鍾奭(キム・ジョンソク)教授は、「インターネットを通じて断片的・感性的に思考すれば、煽動主義に陥りやすい」とし、「多様な読書を通じて深い思索をしていくうちに、市場経済と自由民主の価値を理解するようになるだろう」と述べた。

林奎振(イム・ギュジン)論説委員 mhjh22@donga.com