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[社説]第一の基本的人権は生命・生存権

[社説]第一の基本的人権は生命・生存権

Posted December. 10, 2004 23:04,   

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『土地』の作家朴景利(パク・キョンリ)氏は、最近あるインタビューで、「生命と生存が最も重要な命題であり、政治と芸術は二の次だ」と言った。困難な時代、国政に責任を負う人々が反芻すべき元老作家の言葉だ。

昨日は56年目の「人権の日」だった。憲法上の権利である生命権はすべての基本権の中心であり、その基礎である。生命権と生存権は、人間らしく暮らす権利を言い、世界人権宣言の「窮乏からの自由」にあたる。生命と生存がない人間の自由と権利は、空虚なだけだ。

現政府は、歴代のどの政府よりも分配を強調したが、庶民が経験する経済的現実は残酷である。成長エンジンが停止状態になり、貧富の格差はむしろ広がった。自営業と中小企業は没落している。

警察官の父親が夜勤をし、母親が新聞配達で留守の間に、幼い3人の兄弟が火事で死亡する無惨な事故が起こった。大学を卒業した若者たちは働く機会さえなく、社会的落伍者になっている。朴昇(パク・スン)韓国銀行総裁は、「成長率の数値よりも重要なのは民生だ」とし、「国民は雇用のない成長のために苦痛を経験している。このような苦痛が5年、10年続く恐れがある」と話す。庶民の生存が脅かされる苦痛の長いトンネルがいつ終わるのか、予測すらできないという話だ。

孟子は、政治の初歩は、民の衣食住を満足させる民生にあると力説した。「恒産」がなければ「恒心」もない。にもかかわらず政府与党は、民生活性化の役にも立たない「改革イデオロギー」に没頭している。国会は連日の激突で夜を明かし、国民を憂鬱にさせる。外国機関が調査した韓国人の幸福指数は、世界の中位圏にも届かない。

困難な時であればあるほど、基本に立ち返らねばならない。生命と生存は、基本権秩序の論理的な基礎である。生存権を前提に身体の自由と人間の尊厳性も保全される。民生を考えない政治はいかなる大義であれ正当化されることはない。国民の生存、すなわち民生が保障されない改革に何の意味があるのだろうか。