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文化観光相 訪朝論議の疑問点

Posted March. 16, 2001 11:37,   

金漢吉(キ厶・ハンギル)文化観光相は14日、訪朝日程後の帰国記者会見で「金正日(キ厶・ジョンイル)総書記のソウル訪問問題など、政治的な思案は全く話し合わなかった」と明らかにしたが、「特使説」はなかなか収まる兆しが見えない。

金文化相は金総書記を会ったこともなく、北側関係者らとの7回にわたる会談でも政治的な議題については一切論議しなかったと強調した。しかし文化相が今回合意した事項として挙げた内容の大半が、閣僚級会談などですでに話し合った議題である点から、実際の訪朝目的を巡る疑惑は拭い去れない。

まず、金文化相は文化交流のために訪朝したと話したが、北側は準備がなされていなかったという印象だ。これは南北が合意文を作成しなかったことからも察することができる。これについて金文化相は「北側が合意文の作成に対して負担を抱いており、韓国側の提議について北朝鮮内部で討論する時間が必要だとの話しを聞いた」と説明した。

次に、今回金文化相と会談した北側の幹部が南北首脳会談を成功させた宋浩景(ソン・ホギョン)アジア太平洋平和委員会の副委員長である点も注目に値する。昨年3月、中国上海で秘密裏に行なわれた首脳会談の特使接触で総括的に実務を担ったグォン・ミンアジア太平洋平和委員会の参事も第5次閣僚級会談代表団の名簿で抜け落ち、平壌(ピョンヤン)に滞在していたとされている。グォン参事は首脳会談以降も様々な南北会談の代表として参加、韓国側との実務的な調整を継続して行ってきたため、韓国側から注目を浴びてきた。

このため、政府が15日、「金文化相の訪朝に対して隠していることはない」と強調したにも関わらず、彼の訪朝目的を巡ってあらゆる推測が飛び交っているのが実状だ。



金影植(キム・ヨンシク)記者 spear@donga.com