金融政策非難もデマだというからあきれ果てる。警察庁が一昨日明らかにした悪性デマ取り締まり方針を見ると、警察が過去の軍事独裁政権時代に戻ったような感じだ。取り締まり基準が曖昧な上に実効性もないという点で、こけおどしのその意図を疑わざるを得ない。一言で政権に対する非難、誹謗の盾にしようという情けない発想だ。
警察は「経済秩序を乱し、社会不安を醸成するデマの流布行為が深刻な状況に至っている」とし、「労使紛糾造成、金融政策非難、政治不安醸成行為等を年末まで大々的に取り締まる」と明らかにした。これには派出所の外勤職員等、全国の警察力を総動員するということだ。
勿論、社会混乱を招き、階層間の不信を煽る悪意に満ちたデマは徹底的に取り締まらなければならない。特に最近PC通信の匿名性を利用した、いわゆるサイバーテロ行為は危険水位に到達している。
しかし今回、警察が発表したデマ取り締まり方針は、このような本本来の姿勢とは乖離しているとしか言えない。どのように考えてもその意図を純粋に受け入れることは難しい。政府の金融政策非難と政治不安醸成行為等を取り締まり対象に含めたことは、警察の今回の発表が政治的判断から始まったものだと言うことを物語っている。
警察に問いたい。何が政治不安醸成で、非難と批判、デマはどう区分するのか。政策非難と政治不安醸成行為を処罰する法的根拠はあるのか。金大中(キム・デジュン)大統領のノーベル賞受賞を巡る様々な陰口と、続いて起きた金融事件の波紋を意識し、デマ取り締まりに乗り出そうとしているのではなかろうか。
事実、デマは民主的な社会統合機能が充分に働かなくなった時現われる一時的病理現象だ。明示された処罰法規がないのもこのような背景のためだろう。刑法上の名誉毀損罪があるが、これは構成要件が非常に分かりにくく、ややこしい。デマの内容が書かれたチラシを貼った場合、屋外広告物管理法違反や軽犯罪処罰法上の広告物無断添付処罰条項を適用するしかないのである。
警察や政府が、社会不安や経済危機がどこから始まったのか根本的な原因を探し、処方を下すことが今一番急を要することだと我々は理解している。デマの取り締まりでこのような問題が解決すると考えるのはひどい錯覚だ。






