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[コラム] DMZ、先に環境対策を

Posted August. 28, 2000 20:06,   

南北首脳会談後の南北経済協力の増加により、最近非武装地帯(DMZ)の活用への関心が高まっている。しかし、京義線(ソウル—新義州)鉄道と道路工事、物流基地と面会所の設置、洪水調節用のダム建設、工業団地の造成、農地開発など、この地域をめぐる南北協力に関する協議は、環境保全的なものと言うよりは開発的なものが多い。

大小様々な開発が生態界に及ぼす影響が十分評価されないまま進められている地域でもある。DMZは世界唯一の自然生態界の宝庫として環境的に非常に敏感であるため、開発を話し合う前に環境保全総合対策が確立されなければならない。

西部のサチョン江から東部のカムホ(鑑湖)に及ぶDMZは、地形と地勢、気候、気象、水系、生態界が多様で、様々な動植物が生息している。 96〜99年筆者が主導した研究チームの調査結果、西部のパジュ(坡州)のDMZ一帯には植物460種、昆虫と動物229種の生息が確認された。 また、アカゲラを始めとする11種の珍しい種とイヌワシ、オジロワシ、マナヅルなど、天然記念物13種が確認された。中部のナムデ川上流では天然記念物第327号のオシドリと10種の鳥類が確認され、東部のヒャンノボン(香炉峰)一帯では合わせて36種の鳥類の生息が報告されている。

非武装地帯は国際的にも保全価値のある内陸湿地生態界と森林生態界が共存する地域である。特に、50年余りの分断という歴史がもたらした生態界の変化を観察できる独特な地域だ。山火事などで破壊された低地帯の闊葉樹林地域は湿地化し、様々な種に餌を与える生物的宝庫になり、分断を癒してくれている。復元予定の京義線鉄道が通るパジュ(坡州)のサチョン江は、国際湿地保護協約で指定する国境湿地の特徴をそのまま現わしているため慎重な接近が必要である。

そのような点でDMZ環境保全に向けた総合対策作りが急がれる。この総合対策はDMZの生態の実状に基づき、長期的に持続可能な管理の枠組みになるべきだ。これまで国連開発計画(UNDP)とソウル大学による生態調査など、一部の地域に限定された調査はあったが、DMZ全体の生態の実状はまだ把握されていない。数多くの地雷が埋められており、調査活動が厳しく制限されているためだ。南北首脳会談や閣僚級会談でDMZ南北共同生態調査の論議が入っていないのも残念だ。

生態調査による生態地図の作成後、自然環境監査技法などを利用して保全価値を評価し、DMZ全体を絶対保全地域(核心地域)、相対保全地域(バファー・ゾーン)、そして生態平和村など、ある程度の開発を認める転移地域に区分しなければならない。DMZ一帯には私有地が多い。‘DMZトラスト’を作り、絶対保全価値のある私有地は国が買い入れる方法を摸索すべきだ。DMZには南北にまたがる川が五つもある。これらの川に対する水系別環境保全総合対策も求められる。水系別環境管理を実現するうえで、最も大きい状況要因は北朝鮮側の参加と協力水準だと言える。このような点で南北が参加する「DMZ水系別環境管理委員会」のような機関の設立も考えられる。

DMZは生態学的に世界的な関心の対象となっている。ユネスコではDMZ、特に丹頂鶴の生息地一帯を生物圏保全地域に指定する協議が行われており、世界平和財団は平和公園の造成を提案している。国連環境計画と国際自然保全連盟もDMZに高い関心を示している。このような国際的関心に応えるためにも保全価値の高い地域に対する国際的管理基準と勧告の考慮、そして社会的合意を経てどの地域をどのように管理するかに対する総合的な対策作りが求められる。

このためUNDP地球環境基金などの支援を受け、南北が参加する国際DMZ生態調査管理研究団を構成することは適切な方法であろう。

南北環境協力の一つとして住民、企業、政府、市民団体、農民などがDMZ環境保全総合計画を実践に移すために何をすべきかを盛り込む、行動計画「非武装地帯アジェンダ21」の作成を期待したい。