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「ネットアート」の台湾系・鄭淑麗氏、「AIは道具、新技術に挑戦する」

「ネットアート」の台湾系・鄭淑麗氏、「AIは道具、新技術に挑戦する」

Posted April. 05, 2024 08:49,   

Updated April. 05, 2024 08:49

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「どんな新しい技術にも、ひるむ必要はありません。技術と観客に挑戦するのです」

3日(現地時間)、米ニューヨーク・マンハッタンのグッゲンハイム美術館で取材に応じた台湾出身の米国作家、鄭淑麗(シュー・リー・チェン)氏(70)は最近、人工知能(AI)のアルゴリズムからAIのトレーニングに使われるデータまで隅々まで学んでいるとし、このように話した。

1990年代、インターネットの登場と共に脚光を浴びた「ネットアート(Net Art=インターネットを活用した現代美術ジャンル)」の先駆者と呼ばれる鄭氏は、「ブロックチェーンやバイオテックに続き、新しい技術を通じて観客に伝えたいメッセージがあり、依然として情熱的にならざるをえない」と強調した。

鄭氏は前日、LGとグッゲンハイム美術館が技術を基に革新的な芸術活動を行う作家に授与する「LGグッゲンハイムアワード」を受賞した。今年で2回目を迎えたLGグッゲンハイムアワードの2度目の受賞者となる。鄭氏は、賞金10万ドル(約1億4000万ウォン)とトロフィーを受け取った。

鄭氏は1979年、ニューヨーク大学で映画学の修士号を取った。米国に住むアジア人女性として、「少数者」に対する差別に関心を持つようになった。鄭氏は、「1980年代は、ビデオやテレビは高かっただけでなく、白人男性の専有物のようだった」とし、その技術に挑戦したかったと話した。

当時、メディアアーティストの白南準(ペク・ナムジュン)などの「反抗児」の芸術家たちは、マンハッタン南部のイーストビレッジに大勢居住していた。鄭氏は、「テレビを利用した、とんでもないようだった白南準の芸術が世界的アートになるまでそうだったように、技術を利用した芸術もまた受け入れられるのに相当な時間がかかる」と話した。さらに、「その期間を、まるで長く煮込まなければならない東洋料理のように忍耐と情熱をもって挑戦している」と強調した。

鄭氏は、「ブランドン」(1998年)から世界的な注目を集めた。トランスジェンダー少年のブランドン・ティーナが性的暴行後に殺害された事件を、サイバースペースで多様なイメージで再解釈した作品だ。当時、グッゲンハイム美術館はこれを所蔵し、美術館では初めてネットアート形態の作品を所蔵した歴史を持つようになった。

最近、AIが生成した作品を芸術と見るかどうかを巡る議論が真っ最中だ。「元祖」新技術基盤の芸術家として、鄭氏は、「AIは、人間の歴史を基に知識を習得した道具に過ぎない」とし、「プロンプトに命令語を書き、アイディアを作るのは作家の役割なので、それもやはり芸術だ」と評した。


金玹秀 kimhs@donga.com