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「バイオ松島」の電力網が3年半遅れ、足を引っ張られた先端産業団地

「バイオ松島」の電力網が3年半遅れ、足を引っ張られた先端産業団地

Posted October. 17, 2023 08:25,   

Updated October. 17, 2023 08:25

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仁川松島(インチョン・ソンド)バイオ産業団地に数兆ウォンを投入し、研究・生産基地を建設することを決定した大企業の投資計画が支障をきたすだろうという懸念が大きくなっている。大規模な工場と研究開発(R&D)を稼動するためには追加の電力供給が必要だが、新規送電線路の建設が3年半も遅れたためだ。未来成長エンジンの確保のために、半導体・蓄電池などの国家先端戦略産業団地が相次いで造成される中、「産業血管」である電力網の構築を急がなければならないという声が高い。

松島バイオクラスターに入居中、若しくは新規入居する三星(サムスン)やSK、ロッテなど、バイオ大手は投資拡大のために韓国電力に220MWの電力供給を要請したという。だが、そのために必要な新始興(シンシフン)~新松島の送電線路の完成は、当初の2025年6月から2028年12月に延期された。送電線が通る地元住民が反発しているうえ、始興市が許認可や不許可、行政訴訟などで歯止めをかけているためだ。バイオ産業のメッカとして位置づけられた松島の電力供給に、今後問題が生じかねない。

電力網に足を引っ張られた産業団地は、松島だけではない。SKハイニックスが大規模な工場を建設する忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)のテクノポリス団地は、送電線路と変電所が追加で建設されなければならないが、敷地選定や許認可問題などで、完成が1年以上延期された。全羅南道長城郡(チョルラナムド・チャンソングン)のカカオデータセンターに電力を供給する送電線路事業は、地元の苦情のため、7ヵ月間実施計画の認可申請さえできずにいる。

自治体と地元住民などの利害関係者に、政界や環境団体まで介入し、戦略網構築が難関にぶつかったのは昨日今日のことではない。三星電子平沢(ピョンテク)キャンパス(半導体団地)に電力を供給する送電線路は、計画樹立から完成まで10年間かかった。しかし、電力網建設事業の全過程を韓国電力が引き受けているため、対立を調整し、協力を求めるには限界が大きくならざるを得ない。財産権に対する目線は高くなったが、韓電が支給する補償費用が年間2500億ウォンに縛られているのもネックとなっている。

さらに、天文学的な赤字が積もった韓電が、コスト削減のために一部の発電所と送・配電網の建設時期を遅らせることにし、電力供給網自体が揺れかねないという懸念まで加わっている。半導体・電気自動車など未来戦略産業の大半がエネルギー多消費業種だが、電力インフラへの投資が適時に行われなければ、打撃は避けられない。ドイツやフランスなどの先進国のように、国家主導で電力網事業を手掛けたり、韓電が独占した送電網建設に民間を参加させたりする案など多様な解決策を早急に講じなければならない。