Go to contents

「ドーピング違反」で掲揚禁止のはずだが…杭州のいたるところではためく北朝鮮国旗

「ドーピング違反」で掲揚禁止のはずだが…杭州のいたるところではためく北朝鮮国旗

Posted September. 25, 2023 08:54,   

Updated September. 25, 2023 08:54

한국어

2018年ジャカルタ・パレンバンアジア大会以後、5年ぶりに国際総合スポーツ大会に復帰した北朝鮮は23日、中国杭州で開催されアジア大会開会式で、北朝鮮国旗を掲げて入場した。北朝鮮選手団は同日、英語の国名アルファベット順に従って45の参加国のうち7番目に杭州オリンピック・スポーツセンター・スタジアムに入場したが、旗手のパン・チョルミ(ボクシング)とパク・ミョンウォン(射撃)が大型の北朝鮮国旗を持って選手団を率いた。後を追う北朝鮮選手たちの手にも北朝鮮国旗が持たされていた。

今大会で、このような北朝鮮国旗の使用は世界反ドーピング機関(WADA)の規定違反になる。WADAは2021年10月、北朝鮮の反ドーピング機関が国際基準を満たしていないとし、五輪とパラリンピックを除くすべての国際大会での北朝鮮国旗の掲揚を禁止したからだ。北朝鮮がWADA制裁から脱するためには、北朝鮮の反ドーピング機関などに対するWADAの現場視察などが先行されなければならない。しかし、新型コロナウイルス禍による北朝鮮の国境封鎖で視察が行われなかった。

このため、今年8月にカザフスタンで開かれた「国際テコンドー連盟(ITF)世界選手権」では、北朝鮮国旗の掲揚が禁止され、大会主催側がすべての参加国の国旗を掲揚しなかったという報道もあった。韓国が主導する世界テコンドー連盟(WT)とは違って、ITFは北朝鮮が主導する国際テコンドー競技団体だ。

北朝鮮選手団は、今回の杭州アジア大会でWADA規定を気にしていない。22日、杭州で開かれたアジア大会選手村の公式入村行事から、北朝鮮国旗はブルネイ、カンボジアなど他国の国旗とともに掲揚された。同日、北朝鮮と日本が対戦した卓球男子団体戦が行われた競技場でも、北朝鮮国旗がはためいていた。21日には男子サッカーグループリーグの台湾戦を控えても、北朝鮮選手たちは北朝鮮国旗の前で国歌を歌った。

WADAがアジアオリンピック評議会(OCA)と杭州アジア大会組織委員会などに責任を問うことができるという見解も上がっている。WADA側は「(北朝鮮国旗)関連事項を是正するために努力する。必要ならば規定に従わない団体に対して措置を取る」と明らかにしたと、ラジオ・フリー・アジア(FRFA)が23日伝えた。

杭州アジア大会で北朝鮮国旗が掲揚されている背景は確認されていないが、北朝鮮と中国の血盟関係が影響を与えているという分析が出ている。今大会17種目に185人の選手を派遣した北朝鮮は、重量挙げやレスリング、射撃、ボクシングなどでメダルを狙える戦力と評価されている。


李憲宰 uni@donga.com