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韓米の仲違いを狙った北朝鮮のICBM挑発、結束と抑止力を強化すべきだ

韓米の仲違いを狙った北朝鮮のICBM挑発、結束と抑止力を強化すべきだ

Posted February. 20, 2023 08:59,   

Updated February. 20, 2023 08:59

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北朝鮮が18日、平壌(ピョンヤン)の順安(スンアン)付近で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」を発射した。1月1日の短距離弾道ミサイル発射以来48日ぶりの挑発だ。高度5768キロまで上昇した長距離ミサイルは、900キロほど飛翔して東海(トンへ・日本海)上に落下した。金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は19日、談話を発表し、「我々に対する敵対的なことに、相応かつ非常に強力な圧倒的対応を実施する」と警告した。

今回のICBM発射は、米国を狙った北朝鮮の戦略的挑発が本格化していることを示す。射程距離1万3千キロの火星15は、通常の角度で発射された場合、米全域を攻撃できる核兵器投発手段となる。北朝鮮は昨年11月に「怪物ICBM」と呼ばれる「火星17」を発射したのに続き、今月初めには「固体燃料ICBM運用部隊」を創設するなど、長距離ミサイルの増強に熱を上げている。北朝鮮は、「南朝鮮(韓国)の者どもを相手にする意向はない」とし、米国を直接相手にする考えを明らかにした。

北朝鮮は今後予定されている韓米合同軍事演習などを口実に、核・ミサイルの挑発をさらに強める可能性が高い。今週、米ペンタゴンで行われる韓米間の拡大抑止手段運用演習(TTX)と来月の合同軍事演習「フリーダム・シールド」の期間に追加挑発に出るという観測が流れている。最近の軍事パレードで公開した固体燃料ICBMの発射や7回目の核実験の可能性が懸念される。

ミュンヘン安全保障会議への出席のためドイツを訪れている韓米日3ヵ国の外相は緊急会談を行い、対応策を協議した。外相らは共同記者会見で、北朝鮮の発射を非難し、「国際社会のより強力な制裁に直面することになるだろう」と強調した。外相らが迅速な共同対応に乗り出したことは注目に値する。韓米を引き離そうとする北朝鮮の脅威、挑発にもかかわらず、北東アジアの結束はむしろ強固になっている。

北朝鮮政権が武力増強に執着している間、北朝鮮の経済は悪化している。前年比で食糧生産量は4分の1ほど減り、餓死者が続出しているという。1発当たり最大3千万ドルにのぼるICBMなどのミサイル発射の費用を合わせれば、住民の1年分のコメの価格に匹敵すると推定される。得られるもののない挑発戦略に執着しても、返ってくるのは極度の孤立と貧困だ。金正恩(キム・ジョンウン)総書記が後継ムードを盛り上げて連日同行させている娘や後世に残すのは、孤立と貧困だけだろう。