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「ビジョン」を示せなかった尹大統領6ヵ月、リーダーシップの刷新で国政動力を活かせ

「ビジョン」を示せなかった尹大統領6ヵ月、リーダーシップの刷新で国政動力を活かせ

Posted November. 09, 2022 08:13,   

Updated November. 09, 2022 08:13

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が10日で就任6ヵ月を迎える。先週のギャロップの調査で大統領支持率は29%だった。4ヵ月間、30%前後で足踏み状態だ。支持率は絶対的な評価の尺度ではないが、公正と常識、自由を掲げて野心的に踏み出した新政権6ヵ月に対する世論は冷たいと言うほかない。

国政の経験や選出職の経験がないことを考えれば、尹大統領を「準備ができている指導者」と言うことはできない。ただ、汝矣島(ヨイド)に染まっていない「非政治のリーダーシップ」が新しい時代への純粋な情熱に昇華することを望んだ人も多い。大統領府を離れて龍山(ヨンサン)時代を開くという強い意志に期待をかけた理由だ。

大統領は毎朝、出勤の際に記者団と問答を交わすなど、過去とは異なる意思疎通の姿を示そうとした。文在寅(ムン・ジェイン)政権で傷ついた韓米同盟を再び堅固にし、韓日関係の改善にも取り組んだ。民間の自律、市場経済の原則も正した。脱原発問題も修正している。

しかし、このような正常化の努力は、検察出身重用といった人事への批判や、権力機関の掌握を巡る混乱、夫人関連のノイズ、与党内の権力争い、大統領の各種発言などで光を放つことができなかった。より本質的な問題は、「反文在寅」基調を越え、世界的な経済危機、急変する安全保障情勢の中で、政権の5年間、大韓民国をどこに、どのように率いていくのかという明確なビジョンと力量が見えていないということだ。

「与小野大」、前政権終盤の高位職の任命などの問題もあるが、野党のせいだけにするには国内外の条件は不安定だ。25年前の通貨危機以上の経済寒波が押し寄せ始めていることを庶民も肌で感じている。輸出不振、貿易収支赤字、資金市場の硬直、家計負債爆弾など、あちこちに地雷が埋まっている。このような経済危機を乗り越えていく信頼を与えているのか自省しなければならない。

難題の連続だ。今は足元の火である梨泰院(イテウォン)ハロウィーン惨事の収束に全力を注ぐほかない。野党との政争には距離を置き、徹底した原因解明、厳正な問責、再発防止に乗り出せば、国民も信頼を送るだろう。特に、関係者には法的責任だけでなく政治的責任も問わなければならない。

政権2年目も遠くない。新積弊清算はいつどのように仕上げるのか事前に戦略を立てる必要がある。「実力ある政府」を標榜したが、検察と「モフィア」と呼ばれる旧財務部出身だけえが目につくという指摘も多い。李周浩(イ・ジュホ)教育部長官の指名でようやく内閣の陣容が完成したが、地域の按排と多様性ももう一度考えてみる時だ。何より大統領自らリーダーシップを刷新することを望む。もどかしさの余りお先真っ暗になってはならない。