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「来年も持ちこたえるのが目標」という企業各社

「来年も持ちこたえるのが目標」という企業各社

Posted December. 27, 2021 08:46,   

Updated December. 27, 2021 08:46

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新年が5日後に迫っているが、30人以上の韓国内企業の3分の1は、来年の経営計画の枠組みすらできていないことが分かった。韓国経営者総協会によると、何とか計画を立てた残りの企業のうち、53.5%は「現状維持」、22.9%は「緊縮経営」を経営目標に据えた。企業4社のうち3社は、今年より状況が悪化しないようにするか、規模を縮小してでも持ちこたえるのが新年の目標だという意味だ。企業家の心理がこのように冷え込んでいては、投資と雇用の画期的な増大は期待できない。

企業各社が来年をこのように暗く見ているのは、変異株の出現で新型コロナ事態がどれだけ長引くか見当がつきにくく、グローバル供給網ショックなどで原材料価格が高騰した上、労働者らの賃上げ要求も激しくなっているからだ。政府は「先進国の中で最も早い回復傾向だ」を誇るが、各企業は今年4.0%の成長率も、昨年0.9%のマイナス成長による反発程度と認識している。

さらに、来年1月の韓国銀行の基準金利引き上げ、早ければ3月に繰り上げられる米連邦準備制度(FRB)の金利引き上げなどの悪材料が予告されている。過剰流動性が減り、不動産や株式などの資産価格が下がれば、消費心理は早いテンポで冷え込みかねない。20代や30代までが融資を受けてマンションや株式を購入した韓国は、利息負担の高騰で家計仮処分所得がさらに早く減少するだろう。

このような現状を克服するためには、政府や政界が破格の規制緩和で投資や雇用を増やす強力な誘引を企業に提供しなければならない。にもかかわらず、政府は予期せぬ事故が事業所で発生しても、最高経営者(CEO)を刑事処罰する重大災害法を強行し、中小企業家らの心理を極度に萎縮させている。労働界の票を意識した与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補と、最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補は、公共機関の取締役会に労働者代表を参加させ、経営上の決定に関与させる労働取締役制、労組専従者の活動時間を労働時間として認めるタイムオフ制の導入に賛成した。いずれも民間企業に拡散するのではないかと、企業家たちが最も懸念する制度だ。

激化する米中対立やグローバル供給網再編など、急変する事業環境のため、国内代表企業のトップまでが「厳しい現実を直接目にしているので気が重い」という状況だ。政府や与野党の大統領選挙候補らは、国民生活や雇用改善を口先だけでなく、雇用を創出し、賃金を支払う企業家らが、新年を恐れる理由に真剣に耳を傾けなければならない。