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6ヵ月先に迫った大統領選、5年間安心して任せる候補・政策が見えない

6ヵ月先に迫った大統領選、5年間安心して任せる候補・政策が見えない

Posted September. 10, 2021 08:24,   

Updated September. 10, 2021 08:24

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来年3月9日に行われる第20代大統領選挙が今日でちょうど180日後となった。朴槿恵(パク・クンへ)政権を没落させた崔順実(チェ・スンシル)国政壟断疑惑が起こったのが5年前のこの時期だ。弾劾後に権力を握った現政権の続投か、野党への政権交代かという決戦の時が近づいている。

  

現在の大統領選の地図は、歴代どの大統領選に劣らず五里霧中だ。最近の韓国ギャラップの調査であらわれたように、浮動層が32%にのぼるほど少なからぬ有権者が判断を留保している。政権交代かどうかということ以外に、明確な大型の政策イシューがないうえ、ネガティブ攻防だけが激しいためでもあるが、与党においても野党においても次期大統領として信頼できる資質とビジョンを示す候補が見えないためだ。

 

昨今の大韓民国は、総体的難関の状況に置かれているといっても過言ではない。米中覇権争いに挟まり身動きが取れないまま強大国の顔色を伺うのに忙しい。1人当り国民所得が3万ドルを超えて先進国になったというのに、体感は別だ。若者の失業率は歴代最高値となり、不動産市場など国民生活の現場では難題が散在している。しかし、国際経済秩序の激しい変化の中で韓国経済が持続的に成長していくことができる政策は出さず、「国民をみな良い暮らしができるようにする」といった具合の無責任で危険なポピュリズム公約が乱舞する。国家の蔵は無尽蔵と考えている。国民年金、公務員年金改革といった「未来」を語る候補は見当たらない。目の前の票だけを考え、どうすればもっともらしい「ばらまき公約」を出せるか血眼になっているため、誰かを支持したくても気が向かないのは当然だ。

文在寅(ムン・ジェイン)政権は任期中、いわゆる積弊清算の沼にはまり、敵と味方に二分する国政に明け暮れ、保守系最大野党「国民の力」も換骨奪胎の姿を見せることができなかった。どちらが先に敵対的共生の枠を破って未来に出て行くかが、今回の大統領選の核心ポイントになるだろう。地域と理念、世代、階層を越えた新しい時代、新しいビジョンを渇望する世論の流れが感知されている。今回の大統領選は、大韓民国が直面した難関を正確に読み、国力を1ヵ所に集めて解決していく最高指導者を選ぶ選挙でなければならない。

当分の間、与野党いずれも選挙戦の局面だ。与党「共に民主党」は1ヵ月後の10月10日、大統領選候補を最終選出する予定ではあるが、予備選挙の相当な後遺症が予想される。「国民の力」は、予備選挙のルール問題や党内有力候補の「告発教唆」疑惑などの悪材料が重なり、本格的な予備選挙に突入する前から騒々しい。

 

誰が与野党の最終候補になるかによって大統領選の構図が変わるため、選挙工作が横行する可能性もある。与野党および各党の候補は、どのような政権を作るのかという本質的なメッセージで勝負しなければならない。有権者も残された6ヵ月間、各党の候補決定と本戦に至るまで、「鷹の目」で予備選挙を揺さぶるネガティブの実体を見抜き、次期大統領の資質を見極めなければならない。「国民は、その国民のレベル以上の政府を持てない」という言葉がある。韓国国民の高い政治意識を見せる時が近づいている。