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北朝鮮が「対敵活動」宣言、脅迫に明け暮れる「ならず者国家」の本性

北朝鮮が「対敵活動」宣言、脅迫に明け暮れる「ならず者国家」の本性

Posted June. 10, 2020 08:45,   

Updated June. 10, 2020 08:45

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北朝鮮が9日、南北間のすべての通信を断った。南北連絡事務所だけでなく、東海(トンヘ・日本海)・西海(ソヘ・黄海)の軍通信線、通信試験施設、首脳間ホットラインまで遮断した。朝鮮労働党副委員長の金英哲(キム・ヨンチョル)氏と第1副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏が対南事業を担う部署の総括会議で、「対南事業を徹底的に対敵活動へと転換すべきだ」とし、段階的計画を審議し、その第1段階の措置として連絡線の完全遮断を指示したと、朝鮮中央通信は伝えた。これに対して統一部は、「通信線は南北合意によって維持されなければならない」とだけ明らかにした。

北朝鮮が明らかにした対敵活動の直接の標的は、「くずどもの反共和国敵対行為」、すなわち脱北者団体のビラ散布などの反北朝鮮活動だ。北朝鮮は、「他の問題でもなくその問題だけは・・・」、「裏切り者とくずどもが犯した罪を・・・」と言って脱北者を批判した。それだけでなく、いわゆる「最高尊厳に対する敵対視行為」、さらに「南朝鮮当局の背信的で狡猾な処置」に憤るとし、いつでも韓国を主敵とする考えを明らかにした。

北朝鮮の脅迫にはいつものように、より大きな挑発のための大義名分も、いつそんなことを言ったのかと言わんばかりに態度を変える言い訳も含まれている。直ちに、太永浩(テ・ヨンホ)議員のような脱北者出身の要人に対するテロや境界地域での軍事挑発を強行し、実際に行動に移す可能性がある。このように韓半島の緊張を高め、米国の反応を引き出す大型挑発につながる前奏曲にする可能性もある。政府としては、軍事態勢を綿密に点検し、脱北者の警護・保護の措置も講じなければならない。

一方で、北朝鮮は韓国側の対応を待つムードだ。北朝鮮の反発を受けて、政府は北朝鮮へのビラ散布禁止立法を推進する意向まで明らかにするなどこれまで低姿勢を見せ、北朝鮮はこの機に釘を刺す構えだ。8日に一時南北連絡事務所の通信を拒否して復旧させたが、再び9日正午に連絡線を遮断したのも、文在寅(ムン・ジェイン)大統領から確実な覚書でも取り付けるという期待があったのかもしれない。

 

政府の対北朝鮮政策の目標は、北朝鮮の変化を引き出し、韓半島の平和を成し遂げることだった。南北はこれまで、極端の危機から極端の和解を行き来し、その過程で金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は正常国家の指導者へのイメージ変身も図った。しかし、北朝鮮は全く変わっていない。今、私たちは脅迫と恐喝で危機を助長することに明け暮れる「ならず者国家」、自分は後ろに下がって妹を忠誠競争と対外挑発の先鋒に立たせる独裁者の実体を目の当たりにしている。この3年間を冷静に見直す時だ。