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ひっきりなしにメール受信箱を確認するあなた、「目標中毒」です

ひっきりなしにメール受信箱を確認するあなた、「目標中毒」です

Posted August. 10, 2019 07:13,   

Updated August. 10, 2019 07:13

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あなたが職場で新しい電子メールを開くまでにかかる時間は平均どれくらいだろうか。1分?5分?ゆったりとした性格の人まで考慮すれば、多めにして10分?

答えは6秒だ。職場で受ける電子メールの70%は、受信から平均6秒で開かれる。絶えず何かを確認し、受信箱に「未読メールなし」というフレーズが表示されるべきだいう強迫を持つ現代人に著者は「目標中毒」という診断を下す。

米国のニューヨーク大学で心理学、マーケティングを教える著者は、現代人が苦しむあらゆる種類の中毒に穿鑿した学者だ。特に技術的に新たに現れたオンライン、携帯電話、行為中毒などを長く研究してきた。本の1部を「テクノロジー時代の新しい災害」と命名し、「我々は皆中毒者だ」と警告する。

著者は、人間の中毒現象を暴くために、先史時代から人間が「患っていた」中毒を通時的に探った。トロピカルフルーツ、タバコ、麻薬、コカコーラなどが事例として登場する。面白いことに、これは人間に内在された「DRD4-7R」という遺伝子のためだ。リスクを甘受してでも感覚的な刺激を求めるこの遺伝子は、現代では「DRD4-4R」という遺伝子に変形された。これを保有する人類の10%は、実際に他人より中毒に簡単にさらされるという。

もちろん中毒は必ずしも、遺伝子有無の問題ではない。実は誰もが、数々の中毒に悩まされる。著者が主に問題にするのは「行為中毒」だ。かつて中毒は「薬物中毒」だけを意味したが、最近では目標・フィードバック・向上・難易度・関係・ショッピング中毒など、そのカテゴリが多様だ。

例をあげよう。あなたは自分の体より携帯電話のほうをより大切にする。昨夜「正走行(最初から見ること)」を開始したネットフリックスシリーズのために、一睡もできなかった。明日は今日よりとにかくよくならなければならないと信じている。すべての現代人が患う中毒だ。

目標・向上中毒についての説明も興味深い。著者はこれを解明するため、「本1000冊当たりに『目標追求』という表現が登場する割合」「『完璧主義』という言葉が登場する本の割合」を調べた。1980年代までは「0」に収束していた割合が、驚くべきことに、科学技術の発展と相まって大きく増え、2000年代に入ってからは垂直上昇した。人間はもう一つの新しい中毒にかかったのだ。

さて、この本を読めば中毒から解放されるだろうか?結論から言えば、これといえる答えはない。本は、あなたがなぜ不安でイライラするほど何かに陥っているのか、その中毒はなぜなかなか止められないのかについて詳しく説明する。本は、中毒「脱出ガイド」というより、中毒「研究書」に近い。

もちろん著者は本の末尾に、一部の中毒についてそれなりの「解決策」も紹介した。ネットフリックス、ドラマを一気にすべてを見ることの苦しみを訴える読者に、彼が出した代案はこうだ。

一つのエピソードの中で未解決状態(クリフハンガー)が出る前に視聴を中止すること。あるいはその自信がなければ、次のエピソードで未解決状態が解消される時まで視聴して止めること。つまり、エピソードごとに、それが始まってから5分から次のエピソードの開始まで視聴する方式だ。

著者は、「視聴する楽しみは減らない代わりに、一話からすべてを見る可能性は減る」とし、「作家が書いた薬物のようなシリーズの構造に従ってはいけない」と話す。


キム・ギユン記者 pep@donga.com