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6カ国のイラスト作家展「I draw」に参加した英ハティ・チュワート

6カ国のイラスト作家展「I draw」に参加した英ハティ・チュワート

Posted February. 14, 2019 08:06,   

Updated February. 14, 2019 08:06

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キム・カーダシアン、ファレル・ウィリアムス、アリアナ・グランデ、カイリー・ミノーグ…。大衆が羨望するスターたちが洗練されたポーズをとった雑誌の表紙。英イラスト作家ハティ・スチュワート(31)は、この豪華なカバーに遊び心いっぱいに舌やハート、渦模様を描き入れる。

13日、ソウル龍山区(ヨンサング)にあるディミュージアムで会ったスチュワートは、これを「落書き爆弾を浴びせる」と表現した。上品ぶったスターたちの姿は、スチュワートの手一つで騒々しい落書きに転落する。このはばかることのない作品を、世界6カ国のドローイング、イラスト作家16人が一緒にした展示「I draw:描くことより素敵なものはない」で会うことができる。

スチュワートの「落書き爆弾」はどのように生まれたのだろうか。彼女は大学を卒業してバーで働いていた時、インスピレーションを得たという。

「仕事が退屈だったので、『家に帰れたらどんな絵を描こうか』と悩んでいたのですが、バーに置かれていた絵の上に、思わず落書きをしました。それがあまりにも楽しくて、家に積んであった雑誌の表紙に大量に落書きをしたことが始まりでした」

誰もが一度は学生時代に授業が退屈で教科書の中の顔に絵を掻いた経験があるはず。スチュワートは、その親密な落書きに芸術的感性を吹き込んだ。反応は熱かった。ナイキやアップルミュージック、マークバイマークジェイコブスなど、様々なブランドからコラボレーションの提案が入ってきた。スチュワートはそんな自分が「ある瞬間『専業落書き家』になった」と笑った。

落書きとは呼んだものの、彼女ならではの「表紙を選ぶ基準」があるはず。スチュワートは、「目に見える表紙のうち20%だけが何を描くか確信できる」とし、「残りは様々な過程で描いて、結果に至るほうだ」と語った。それでは自分が考えている「最も完璧だった」表紙とは?雑誌「ペーパー」に掲載されたカーダシアンの写真を、ためらうことなく挙げた。何もかけていないカーダシアンの後ろ姿が込められた…。

「なぜ完璧なカバーだったのかって?大きなお尻が自分の想像力を呼び起こしましたねー!ハハハ」

最近の若い作家たちは、ソーシャルネットワークサービス(SNS)での活動が活発だ。彼女もかなりの影響を受けていると思ったが、意外な答えが返ってきた。

「確かにチャンスをつかめる良いプラットフォームであることに間違いありません。しかし、数ヶ月間悩んで作ったプロジェクトが、瞬く間に消費されて後方に押し出されることを目にすれば、時には息苦しさを感じます。創作者には『時間』が最も良い友達なのに、SNSはゆったりとした時間を許さないんですから」

今回の展示で、スチュワートは展示スペースに鏡を複数配置した。「来場者が雑誌の表紙の中のスターであり、作品の一部となる経験」をして欲しいという狙いだと打ち明けた。

「外の世界のことを忘れて、『リラックス』する時間を提供したいと思いました。自分の絵を見て、ただ『幸せでおもしろい』と感じてもらいたいですね」

展示は9月1日まで。3000~1万2000ウォン。


金民 kimmin@donga.com