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[オピニオン]「ロッテの離れ家の奥様」ソ・ミギョン

[オピニオン]「ロッテの離れ家の奥様」ソ・ミギョン

Posted August. 12, 2016 07:25,   

Updated August. 12, 2016 07:45

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ロッテグループは1970年代80年代、ミスロッテ選抜大会を開催した。元々は会社のCFモデルを選ぶための行事だったが、芸能人たちの登竜門の役割を果たした。元美京(ウォン・ミギョン)や李美淑(イ・ミスク)、蔡時那(チェ・シラ)、李美姸(イ・ミヨン)など、後日トップスターとなった人たちも、同大会を通じて世間に顔を知らせた。熱い注目を集めた1977年の第1回ミスロッテには、子役芸能人出身であるソ・ミギョンが選ばれた。今も多くの国民の耳に慣れている「ガムならさすがロッテガム~」というテレビコマーシャルの初モデルだ。

◆ソ・ミギョンは、映画やテレビドラマにも出演して、演技の歩幅を広めていたが、1981年突然芸能界から姿を消した。1983年、当時の辛格浩(シン・ギョクホ)ロッテ会長(現在は総括会長)の娘を産んだというニュースが伝わり、突然引退した謎が解けた。辛格浩は、61歳に生まれた「孫娘の歳ともいえる娘」であるシン・ユミを大変かわいがり、後日、自分の戸籍に入籍した。国内5位グループのトップの「隠れた女」であるソ・ミギョンは、財界では「ロッテの離れ家の奥様」と呼ばれた。

◆辛格浩がソ・ミギョン、シン・ユミ親子のために作ったユウォン実業やユギ開発は、ロッテの飲食店分野で強力なパワーを持っている会社だ。ロッテデパートで営業しているビビンバ専門店「ユギョン」、冷麺専門店「ユウォンジョン」、うどん専門店「ヒャンリ」などは全て、この親子が関わっている飲食店だ。ソ氏の親子とかかわりのある会社や店舗は、シン・ユミの名前から取った「ユ」の字が入っているところが多い。ロッテのフードコート担当役員や従業員が変わるたびに、前任者と後任者との間で「秘密のロイヤルファミリーの族譜」を引き継ぐ不文律もあった。

◆辛格浩が2005~2010年に借名で保有していた日本ロッテホールディングスの持ち分の6%を、ソ・ミギョン親子に引き渡す際、6000億ウォン台の譲渡所得税や贈与税を漏らした情況が、検察による取調べの過程で明らかになった。倫理的議論とは別に、辛格浩が、20代前半から財界トップの「影の女」として生きなければならなかったソ・ミギョンや、還暦が過ぎて生まれてきた末娘を切なく思ったのは理解できる。しかし、企業の持分やデパートの売り場の運営権を渡す過程で、国の税金を食い込む脱税などの犯罪を犯したなら、法の厳正な審判を避けるのは難しいだろう。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com