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[オピニオン]外交部長官はファッショニスタ?

[オピニオン]外交部長官はファッショニスタ?

Posted July. 12, 2016 07:50,   

Updated July. 12, 2016 08:18

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1887年、初代駐米公使に任命された朴定陽(バク・ジョンヤン、1841〜1904)一行が、米ワシントンに赴任した時の出来事だ。奇妙な帽子にあやしい道袍の裾をなびかせながら歩く人たちが向かう所々で大騒ぎになった。ある日、道を歩いていたところ、子供たちが石を投げつけた。警察が「外交的欠礼」を犯した子供たちを逮捕すると、彼らは署長に会って、「子供たちがやったことであり、大目に見てほしい」と釈放を要請した。新聞には、「韓国から来た紳士」という美談の記事が掲載され、旧韓末外交使節の寛容が、ワシントン外交街では話題となった。

◆外交儀典で、服装規定が漏れるはずがない。招待状に「ホワイトタイ」と書かれていれば、最高の格式といえる燕尾服と白い蝶ネクタイをつけなければならない。「ブラックタイ(略式夜会服)」は、黒いタキシードに、黒い蝶ネクタイを意味する。そのほか、濃い色のスーツで整えた「ラウンジスーツ」(カジュアル服)、ジャケットは欠かせないが、ネクタイは選択の「ビジネスカジュアル」などのドレスコードもある。

◆服装のせいで外交上ぎすぎすした議論が起きた時もある。1998年、日本を訪問した江沢民当時国家主席は、天皇主宰の晩餐に人民服姿で出席して、日本側の反発を招いた。最近、外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官が外交問題ではなく、服装のために俎上に上っている。韓米両国がサードの配置を発表した時、デパートで服の修繕をし、買い物をしていたことが明らかになった。急を要する外交安保事案が発表された時に、それも平日午前に、大韓民国の外交トップはどうしてもデパートに足を向けなければならなかったのだろうか。

◆外交部の釈明は、長官が庁舎で転んでズボンが裂けたが、普段から大事にしていたズボンだから、修繕のために立ち寄ったという。野党側は、「あえて長官自ら修繕にデパートに行くほど、のんきな状況だったのか、何度も考え直しても納得できない釈明だ」と皮肉った。昨日、国会外交通商委に出席した尹長官は、「誤解を招く余地があったことを、厳しく受け止めている」と頭を下げた。外交部長官として、「服のセンスが悪い」と噂されるよりは、ファッショニスタと言われるほうがいいとは思うが、業務の軽重を見極めるだけの分別力は、服のセンスのいいことよりもっと重要だ。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com