Go to contents

[オピニオン]長男だけに支給し、長女には支払わない家族手当

[オピニオン]長男だけに支給し、長女には支払わない家族手当

Posted July. 06, 2016 08:33,   

Updated July. 06, 2016 08:49

한국어

最近放送の終わった人気ドラマ「ディア・マイ・フレンズ」には、チャンポン店の60代の女性オーナーであるチャン・ナンヒという人物が出てくる。彼女は肝臓がん末期だという診断に、「長女コンプレックス」をぶちまける。歳取った実家の両親の世話をする一方、下半身に障害を抱えている弟の入院費を支払うので、いつも重い責任感に苦しんだナンヒ。「なぜ、私に(病気のことを)言わなかったの?」と娘に言われると、「話したって、何も変わることなんてないから」と胸の裂ける苦しみを並べ立てる。「私が負わなかったら、皆、すでに死んでたはずだ。娘がいても、両親や兄弟がいても、皆、私には荷物。私が死んでも頼れるところがない」

◆辞書によると、長女の定義は、「二人以上の娘のうちの上の娘」となっているが、日常ではナンヒのように、姉弟のうち、先に生まれた娘も長女と言われている。昔から、この国で生まれた長女たちは、長男のように特別優遇されたわけでもないのに、長男に劣らぬほどの義務感で両親や弟、妹たちの世話をしながら、犠牲や奉仕の人生を生きてきたケースが多い。長女は、結婚後も実家との関係では、ほかの娘とは違っている。韓国女性の7つのコンプレックスに「長女コンプレックス」が盛り込まれる理由でもある。

◆地方自治体傘下のA公社で勤務するイ某氏(29)は、母親に関する家族手当を請求したが断られた後、国家人権委に苦情を提起した。この公社は、関連規定に基づいて両親と別居している長男には家族手当を支給しているが、女性には一人娘に限って手当てを支給している。イ氏は長女だが、弟が学生なので実質的に家族の世話をしている。人権委は、「平等権侵害だ」と主張し、公社の報酬規程の改正を勧告した。直系尊属の扶養は、男性が責任を持つという伝統的な性役割による明白な差別だという見方だ。

◆A公社は不合理な家族手当規定について、「同種機関の大半が同じようにやっている」と明らかにした。それなら、「同種機関」も一日も早く、長女差別を正すべきだ。社会の変化によって家族の概念や形は変わっているのに、現実での変化はそのテンポに追いついていない。片方ではアルファガール時代が叫ばれても、いざ、社会に進出すれば様々な細かな「規定」が、働く女性たちの足を引っ張る。依然、遠い道のりが彼女たちの前に置かれている。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com