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ウインブルドンで40年ぶりの再会、大韓テニス協会長と天才数学家

ウインブルドンで40年ぶりの再会、大韓テニス協会長と天才数学家

Posted July. 07, 2015 07:10,   

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大韓テニス協会のチュ・ウォンホン会長(60)が昨年7月ウインブルドン選手権を観戦し、英国で仁川(インチョン)行きの飛行機に乗った時の話だ。30年以上連絡が取れなくなっていた後輩が、チュ会長の隣の席に座っていた。世界的な天才数学者である、オクスフォード大学数学科のキム・ミンヒョン教授(52)だった。二人の関係は1970年代に遡る。キム教授とチュ会長の家族は、二人が子どもの時から交流があった。このため、キム教授は当時成均館(ソンギュングァン)大学と大宇(テウ)重工業の選手だったチュ会長を兄のように慕った。キム教授は中学1年生の時に患った腎臓炎のため学業を中断し、中高校を検定試験で卒業したが、ホームスクーリングをする間、チュ会長に習ったテニスは、大きな楽しみの一つとなった。その後、キム教授はソウル大学数学科に入学し、3年で早期卒業後、イェール大学の全額支給奨学生、韓国初のオクスフォード大学正教授など、華やかな経歴を積んできた。キム教授の父親は、著名な人文学者である、高麗(コリョ)大学名誉教授のキム・ウチャン氏だ。

キム教授の米国留学で途絶えていた二人の関係が、昨年テニスにより再びつながったわけだ。「顔を見合わせた瞬間、互いのことを思い出した」と言うチュ会長は、先週開幕したウインブルドンを再び訪れてキム教授と再会し、先週末にはノバク・ジョコビッチやセリーナ・ウィリアムズなどのスター選手の試合を一緒に観戦した。キム教授は「1970〜80年代、韓国テニスは大きな人気を博していた。兄さん(チュ会長)を応援するため、奨忠(チャンチュン)コートによく行っていたが、いつも気を使ってもらった」と振り返った。

二人は、学校スポーツについて大きな関心を示した。現代数学の最高分野と言われる「算術代数幾何学」の大家・キム教授は、「学校の体育は余暇を楽しみ、体力を強化する重要な手段だ。歴史的にもプラトンのような哲学者や数学者は、心身を同時に鍛えていた。全人教育が必要だ」と述べた。監督時代、イ・ヒョンテクやチョ・ユンジョンなどの選手を育成したチュ会長も、「知的能力を鍛えないアスリートは限界にぶつかってしまう。子どももしっかり運動できる風土を作っていかなければならない。勉強ができれば親が幸せになり、運動ができれば子ども自らが幸せになる」と強調した。

キム教授は「私は数学者だが、アスリートの技量向上に役立てたい。数学は世の中の原理を単純化して説明する。試合のデータを分析してトレーニングに活用すれば、成功の確率を高めることができる」と話した。チュ会長は「運動も勉強も、結局は創造力や応用力、臨機応変などが勝敗を左右する。キム教授を招待して、選手との対話の時間を設けたい」と話した。

チュ会長からテニスを習ったキム教授は、昨年再びラケットを握った。12、16歳の二人の息子と親子対決をするためだ。今月末梨花(イファ)女子大学の訪問教授として来韓するキム教授は、「監督と選手、親と子どもはいずれもコミュニケーションと対話が重要だ。そのような面でも運動は効果的な手段となる。ソウルでテニス対決をしたい」と言って笑った。



kjs0123@donga.com