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[オピニオン]財閥オーナー子息の超高速昇進

[オピニオン]財閥オーナー子息の超高速昇進

Posted January. 09, 2015 07:11,   

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経済部長を務めていた約8年前、とあるグループの「オーナー3世」の役員に会ったことがある。当時30代だった彼は、同席していたはるか年配の役員にぞんざいな言葉で声を掛けていた。その日の出来事を聞きつけた後輩の記者の反応はこうだった。「それなら『良好な』ほうですよ。役員や従業員を召使いのように扱うトップの子息もいますからね」。ナッツリターン事件で致命傷を負った大韓(テハン)航空の趙顯娥(チョ・ヒョンア)前副社長も、かつてからいろいろうわさされていた。

◆「趙顯娥騒ぎ」によって素顔が明らかになった一部の財閥の3、4世の特権意識や恥知らずの行動は、果たしてどこから来たものだろうか。創業2世代の場合は、幼い頃、創業者の父親の苦労を目にした経験が少なくない。しかし、3、4世代は生まれた時から、「彼らだけの城」に閉ざされて歪んだ選民意識に浸っている可能性が高い。ただ、もっと行動に慎重をきし、礼儀を守る3、4世代もあり、皆をひっくるめて悪く言うことは禁物だ。

◆上位30位内グループオーナーの3、4世の役員32人は、入社後役員昇進までの期間が平均3.5年という調査結果が出た。新世界(シンセゲ)の鄭溶鎭(チョン・ヨンジン)副会長や鄭有慶(チョン・ユギョン)副社長、韓進(ハンジン)重工業の趙源國(チョ・ウォングク)専務など9人は、入社と共にすぐ「企業の星」といわれている役員に任命された。現代(ヒョンデ)デパートの鄭志宣(チョン・ジソン)会長や鄭𨥉宣(チョン・ギョソン)副会長は1年後に役員になった。(サムスン)電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(9.4年)、現代自動車の鄭義宣(チョン・イソン)副会長(5.8年)、LGの具光謨(ク・グァンモ)常務(8.3年)など、重要グループの3、4世は、平均よりは遅れて昇進した。

◆民間企業で大株主のトップの子供が、早いテンポで昇進すること自体を批判するわけにはいかない。しかし、企業や世間をよく知らない若い3、4世を、過度に早く幹部ポストの座らせれば、利益よりは損失のほうが多い。かつて、一部の企業家は、学業を終えた子供を、国内外の別の企業に行かせ、数年間「階級章を外して」仕事を学ばせた後、会社に呼び寄せた。入社後も、一定期間、該当企業の重要業務を現場で経験させる過程も経た。今回の事件をきっかけに、韓国の財界は、トップ子息の経営参加や超高速昇進と関連し、貴重な教訓を得なければならないだろう。