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イスラエルとパレスチナの首脳、法王仲裁で抱き合う

イスラエルとパレスチナの首脳、法王仲裁で抱き合う

Posted June. 10, 2014 04:13,   

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中東和平会談が物別れに終わったあと、僅か3週間でイスラエルとパレスチナの両首脳が、バチカンで会って抱き合った。「中東の火薬庫」といわれている双方の最高級指導者同士の会合は、大変異例である上、国際的に名高いフランシスコ法王の仲裁で実現した席であり、再交渉へと続くのではないかという見方も出ている。

8日、バチカンの庭で会ったイスラエルのシモン・ペレス大統領とパレスチナのマフムード・アッバス自治政府大統領は、フランシスコ法王が見守る中、互いに抱きしめ合った。法王は、「平和定着は、戦争よりさらに大きな勇気が必要だ」と力説し、中東和平を祈る祈祷会の後、平和の象徴であるオリーブの木を一緒に植樹した。

バチカン側は、「即刻的な(再)交渉の突破口ができたものではない」とし、政治的拡大解釈を警戒した。しかし、複数の外国メディアは、米主導のイスラエルとパレスチナとの和平会談が最近物別れに終わったなかで行われた今回の祈祷会について、「1993年、オスロの和平協定締結後に行われたものの中では、大変意義深い行事だ」と軒並み報じた。さらに一歩進んで、外交専門誌・フォーリンアフェアーズは同日、法王が引き出したイスラエルとパレスチナ指導者との「抱擁」は、「交渉の再稼動に向けた触媒剤になりうる」とし、具体的な5つの背景について紹介した。

第1に、法王、ペレス、アッバスの「三銃士(band of three)」間のシナジーだ。ペレス大統領とアッバス大統領は、国民の信頼の厚い元老である上、相互の信頼は相当なものといわれている。法王の国際的かつ道徳的な存在感もまた、和平交渉の仲裁者としては最適の資格を備えている。

3人共に、反対世論を恐れず、それに立ち向かえる決断力の所有者というのも、鼓舞的だ。アッバス大統領は12年11月、自分が幼年期を送ったサペド地域が、イスラエルの領土になっただけに、現実的に戻すのは難しいと語り、「帰還権(right to return)」を主張してきた強硬なパレスチナ人から反発を買った。ペレス大統領は、イスラエル内の強硬派が主導するヨルダン側西岸地区の追加建設を、「和平を脅かす行為だ」と猛烈に攻撃し、強硬派から激しい抗議を受けたこともあった。

また、△3人の指導者共に和平の定着に向けた現実的な目標意識を持っている上、△双方の国民の強い和平交渉の熱望を意識しており、△祈祷会が行われた8日がユダヤ教の「五旬節」(その年に初めて収穫した稲や小麦を、唯一の神に捧げるユダヤ人の節季)の直後であり、キリスト教の「聖霊降臨祭」(復活祭後50日に当たる日)という象徴性も鼓舞的な背景だと、フォーリンアフェアーズは付け加えた。