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「手続きの欠陥」が招いたセウォル号惨事

「手続きの欠陥」が招いたセウォル号惨事

Posted May. 02, 2014 07:33,   

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政府と大統領府に対する国民の不信が大統領に向かっている。大統領の謝罪発言に対して、「内容と形式いずれにおいても望ましくなかった」という声が多い。特に、先の大統領選挙で朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に票を入れたという人々の失望感が大きい。

ある元長官の話。「閣議は内部の会議だ。対国民メッセージを伝えるなら、記者室でするとか…。形式や内容を無視し、ただ謝罪だけすればいいという傲慢さがうかがえた」。私立大学教授は、「謝罪を政治行為と考える認識が問題だ。謝罪すれば責任を負わされ権威が失墜するかのように考えるが、大統領も人間だ。国民皆が泣きたい時に、遺族と手を取り合って涙を流せば、わだかまりが解けるのではないか」と述べた。「公務員を叱責する内容は間違ってはいないが、心に迫るものがないのは、大統領が果たして今回のことを心で受け止めているのか疑問に感じるためだ」(40代主婦)という意見もあった。

マーケティング業務を担う大企業役員は、「組織論理と供給者マインドに閉じこもっていた大統領府と官僚社会の問題が、平時にはよく見えなかったが、非常事態になって露になった」として次のように話した。「国民の目線になるということは大変難しいことだ。大統領自ら多大な努力をしなければならない。市民と絶えず対話をして聞く耳を持たなければならず、民心を加減なく伝える善良で勇気のある参謀がいなくてはならない。閣議で1人で話し長官たちがいっせいに書き取る雰囲気で、どうやって民心が伝えられ、危機を打開する対策が出てくるだろうか」。

「これまで大統領の業務スタイルの問題点だと指摘されていたことが一気に問題として浮上している。最高責任者がすべてのことを指示すれば、下の人々は指示がなければ動かない。野戦司令官である長官に権限を委任し、事故が起きれば責任を明確にする大きな指針だけを下せばいい。現場では柔軟さが重要だが、そのような訓練ができていないので、今回の事故収拾で右往左往した」(中小企業社長)

「国家は巨大な生命体だ。いつでも事件は起きる。よって国家元首の口から『絶対』といった断定的な発言は危険だ。問題を単純化して解決策を提示することが急務だ。今回のことも3つに圧縮できる。どのように犠牲者家族を慰め、国民の心を癒し、どう収拾するのかだ」(元経済省庁長官)

事故そのものも問題だが、収拾に対する心配も大きかった。「国内最高の専門家を集めて国民に直接説明してほしい。船をどうやって引きあげるのかについても、少しずつ慎重な診断が出されなければならない。世界の技術力を集めても不可能なのか、可能ならいつどのようにするのか、具体的で実現可能な代案を言ってほしい」(元将軍)

国家安全処新設に対する批判世論も多かった。「官僚とは、事件が起きれば機構が必要だと言い出す人々だ。そのため政府が大きくなり、仕事が重なり、干渉が増える。重複した業務を単純化し、責任の所在を明確にすることが優先だ」(経済研究所所長)

「国家の改造は公務員たちの口から悲鳴が出なければ不可能だ。今この危機を克服できなければ、残りの任期の間、何の仕事もできない。李明博(イ・ミョンバク)政府が狂牛病問題で足を引っ張られたこととは比較にならない事態になるかも知れない。国民の絶望と怒りのレベルが大変高く、これがどこへ向かうのか不安だ」(元次官)

今、大統領は孤独だ。1人で克服しようとせず、各界の元老、国民から意見を聞き、国難克服に向けて世論に耳を傾けてほしい。