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「新年の辞」から読み取れる北朝鮮の厳しい現実

「新年の辞」から読み取れる北朝鮮の厳しい現実

Posted January. 02, 2014 03:36,   

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)がきのう、新年の辞で、「南北の間で関係改善の雰囲気を造成しなければならない」と主張した。わずか数日前までも「戦争は予告をしない」と語り好戦性を露にした態度とはずいぶん変わった。新年を迎えて、北朝鮮の指導者が南北関係を対決から対話へ変えるという決心をしたというのなら、歓迎に値する。

金正恩は張成沢(チャン・ソンテク)氏の処刑を「党の中にいた宗派汚物を取り除く断固たる措置だ」と話した。執権2年次に入った北朝鮮の指導者が落ち着きのない内部の状況を安定させるため、対南宥和ジェスチャーをしたのかも知れない。あわせて南北関係の緊張を南韓のせいにする常套的手法から脱していない。金正恩が取り上げた「百害無益な誹謗中傷」と「和解と団結に阻害をもたらすこと」は、他ならぬ北朝鮮が韓国を相手に絶えず試みた戦術だ。「従北騒ぎを起こすな」という主張は李石基(イ・ソクギ)内乱陰謀事件を狙ったことだが、北朝鮮と関係のない事件なら、金正恩が口を挟むようなことではない。

金正恩は祖父の金日成(キム・イルソン)が生前行っていたとおり、昨年に続き今年も新年の辞を直接読み上げた。1万字以上の新年の辞を肉声で発表したが、南北平和を望むという確信を与えられない理由を北朝鮮自らがよく知っているはずだ。南北関係の改善のために必要なのは、北朝鮮の変化だ。

米国と韓国が韓半島に核戦争が起こりうる危険な情勢を作ったという主張も典型的な責任逃れだ。北朝鮮はこれに手を拱いているわけにはいかないため、強力な自衛的力で国の自主権と民族の尊厳を守っていくという言い訳に聞こえる。核に直接言及してはいないものの、北朝鮮核は自衛用という理不尽は言い分の延長線上にある。北朝鮮は昨年、金正恩が比較的宥和的な内容の新年の辞を発表してから1ヵ月11日ぶりに、3次核実験を実施して深刻な国際的孤立を自ら招いた。北朝鮮が真心から南北関係の改善と平和を望んでいたら、先に核放棄の考えからはっきり示さなければならない。

石炭や電力そして農業部門の力量強化を長く、繰り返して言及したのは、かつての金正日(キム・ジョンイル)時代とは違う面だ。それほど電力難と食糧難が深刻であるという事実を金正恩の新年の辞を通じても垣間見ることができる。新年の辞は「節約が生産であり、愛国心の発現」だと強調したが、食べ物もないのに節約ばかりを言う北朝鮮の現実がもどかしいばかりだ。