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[オピニオン]金正恩氏の代を継ぐ贈り物統治

[オピニオン]金正恩氏の代を継ぐ贈り物統治

Posted October. 05, 2012 07:54,   

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帝政ロシアを没落させた1917年2月の革命の原動力を無産者の階級闘争と説明することもできるが、皇帝から十分な補償を受けることができなかった軍部が革命軍を阻止しなかったがために可能でもあった。1981年から30年間にわたって鉄拳統治を行ったムバラク前エジプト大統領の没落も然りだ。ムバラク前大統領の補償財源が底を突くと、軍部は決定的な瞬間にムバラク支持を撤回した。独裁政権が、国民の99%が餓死しても1%のパワーエリートを管理することに神経を使う理由は、権力維持の鍵が核心エリート組織にかかっているためだ。

◆北朝鮮は1948年の政府樹立と共に「側近政治」を確立した。平壌(ピョンヤン)の蒼光(チャングァン)通りは、党政軍の最高エリートだけが住む専用住居団地だ。彼らには、書記室、労働党39号室、海外公館などを通じて、日本、欧州、東南アジアなどで購入した高級品を宴会や金氏一家の誕生日、記念日などに贈る。側近幹部の子弟の婚礼決裁権まで持つ金氏一家は、結婚指輪や高級時計、礼服まで下賜する方法で、エリートの忠誠心を確保する。

◆2006年10月、北朝鮮の1回目の核実験当時、国連安全保障理事会決議1718号は、「すべての加盟国は、原産地を問わず、嗜好品が各国を通じて北朝鮮に直接・間接的に提供されたり、販売または移転してはならない」と規定した。2回目の核実験後の2009年9月、米国が、北朝鮮労働党39号室を嗜好品の取引、偽造、密輸などの不法行為の震源地と指定し、北朝鮮のエリートのための資金管理を基本的に遮断すると宣言したのも、金氏一家の「贈り物統治」の基盤を崩壊させるための試みだった。しかし、中国経由の北朝鮮の嗜好品の輸入は阻止する術がない。

◆2008年2億7214万ドル、2009年3億2253万ドルだった北朝鮮の嗜好品輸入規模が、2010年4億4617万ドル、2011年5億8482万ドルと増加している。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が贈り物統治の方法を代を継いで伝授しているようだ。10年の「太陽」と5年の「ムチ」の中で、金氏一家と一部側近の生活の質は落ちていなかった。民主主義が多数の国民を味方にした勢力が政権を取る政治制度なら、独裁政治は少数の核心側近とパワーエリートを買収し、護衛勢力にするゲームだ。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com