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少子高齢化の沼…2060年には2人が1人の高齢者を扶養

少子高齢化の沼…2060年には2人が1人の高齢者を扶養

Posted June. 23, 2012 06:53,   

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韓国の人口の5000万人突破には、数字以上の意味を込められている。経済的に先進国入りを目標にしている韓国が、人口でも大国の面目を保持することになったということだ。

韓国の人口は世界26位だが、1人当たりの国民所得2万ドルと人口5000万人を共に達成した国は、米国、日本、フランス、イタリア、ドイツ、英国の6ヵ国だけだ。

問題は、5000万人の人口で国力を誇るには、明るい未来だけではないということだ。出生率が1.23人(2010年基準)と世界最低水準の状況でさらに少子化が続く場合、潜在成長率が2030年代初期には1%に下落するという悲観的な展望も出ている。

急激な高齢化で若年層が多くの高齢者を扶養しなければならず、労働力不足で外国人の流入が増加するなど、今後の変化は数十年間維持してきた韓国社会の枠組みを根本から揺るがすという見方が多い。

●出生率最下位、高齢化世界最高

30年前までは、韓国政府の最大の課題は家族計画だった。「2人だけ産んでしっかり育てよう」というスローガンの下、一人っ子の家庭にはマンション申し込みの優先権が与えられ、3人以上の家庭には住民税が加重され、医療保険の支援も打ちきられた。結果的にこのような政策は、未来を見通していなかった。

韓国の出生率は、83年に人口維持に必要な出生率(2.1人)以下になり、10年に1.23人までになった。05年に最低出生率(1.08人)を記録し、各種出産奨励策などの影響で多少高まりはした。女性の社会進出の拡大や晩婚化などにより、20代後半女性の出生率は、80年の人口1000人当たり238.5人から、10年には79.7人に下がった。一方、65才以上の高齢者の人口は着実に増加している。80年に145万人だった高齢者人口は、10年に545万人、60年には1650万人まで増加する見通しだ。将来世代が担う高齢者の扶養比(生産可能人口100人当たりの高齢者の人口)は、日本(63.3人)に続き世界2位(57.2人)になると見られている。

●このままでは韓国は「高齢者の国」

生産可能人口(15〜64才)の減少は、経済活力の低下に直結する。経済協力開発機構(OECD)は最近、世界経済展望報告書で、31年以降の韓国の潜在成長率を加盟国34ヵ国のうち最低水準の年間1%と見通した。20年後の経済成長が今の3分の1の水準にも至らないということだ。

OECDのグリア事務総長は、「韓国は、少子高齢化で生産可能人口が減少し、中長期の潜在成長率が持続的に下がっている」と指摘した。総人口で生産可能人口が占める割合は、15年の73%を頂点に、30年に63.1%、50年には52.7%に下落する。

今年0〜2才と5才の無償保育が始まるなど変化の兆しは見られるが、政府の出産支援策は、少子化傾向を断つには力不足という指摘が多い。OECDによると、韓国の国内総生産(GDP)対する児童家族福祉の支出は0.5%で、OECD平均(2%)の4分の1の水準だ。急激な福祉増加に伴う財政負担を考慮したとしても、少子化問題を解決するには不十分だ。延世(ヨンセ)大学の具成烈(ク・ソンヨル)教授(経済学)は、「先進国の3分の2水準である今の出生率では、今後韓国経済を維持することは難しくなる」とし、「育児への社会的な支援と共に、女性や高齢者の経済活動を奨励し、生産可能人口の減少に対応する必要がある」と強調した。



january@donga.com