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[オピニオン]脱北女性の叫び

Posted May. 02, 2009 07:52,   

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先月29日、米ワシントンのナショナル・プレスクラブで、50代の東洋人女性が、椅子に上がってスカートをたくし上げ、左足の太ももを見せた。その瞬間、記者会見場は衝撃に包まれた。彼女は、02年に夫が餓死した後、子どもたちに腹一杯食べさせるために脱北したパン・ミソンさんだった。鉱山宣伝隊の女優として一時はすらりとした足には、無惨な拷問の跡が生々しかった。初めて脱北した時、中国公安に逮捕され、北朝鮮に強制送還されたという彼女は、「収容所でサッカーのグランドを100周走らされ、ムチで打たれた。今もまともに歩くことができない」と話した。

◆パンさんが、脱北女性が北朝鮮と中国で経験する人権蹂躙の惨状を証言すると、涙を流す人も多かった。パンさんは、中国で人身売買団に売られ、数回に渡って強制結婚させられた。04年、また脱北して韓国に来た彼女は、「バラク・オバマ米大統領に会う機会があるなら、北朝鮮女性が動物のように売られないようにしてほしいと訴えたい」と話した。彼女は、「中国と北朝鮮で何が起っているのか、世界が知るべきだ。国際社会が叫んでほしい」と訴えた。

◆脱北女性たちは、中国で人身売買団によって奴隷のように売られ、性奴隷の生活をするケースも多い。北朝鮮に強制送還され、収容所で拷問を受けて命を失った脱北者も多い。国連加盟国である中国は、難民協約を守る義務がある。にもかかわらず、中国は、脱北者に難民の地位を与え、強制送還の中止を求める国際社会の要求を無視している。韓国政府も、中国政府が脱北者の強制送還政策を変えるようどれほど要求したのか、振り返らなければならない。

◆多くの脱北女性たちは、飢えに耐えられず国境を越えたが、人身売買団の生贄になった。このような地獄の最大の責任は、金正日(キム・ジョンイル)集団にある。北朝鮮の人権問題に沈黙する韓国内の親北朝鮮左派たちも、責任を感じなければならない。ヒラリー・クリントン米国務長官は先月30日、米上院で「北朝鮮は自ら深い墓穴を掘っている。いかなる経済的支援もする考えはまったくない」と明らかにした。金正日集団は、核とミサイルで「物乞い体制」を維持しようとするが、これでは住民だけでなく、体制まで生き残ることがますます困難になるだろう。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com