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白い綿の花の微笑

Posted October. 15, 2004 01:04,   

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高い秋空はますます遠ざかり、いつの間にか落ち葉が一つ二つ道にに増えているのを見ていると、どことなく心まで落ちつかなくなる。この秋が過ぎ去る前に旅立ちしたいなら、秋旅行をしたいなら、綿花村はどうだろう。村のあちこちに咲いているふわふわとした白い綿を取ったり、綿製品作りも体験できる綿畑への旅は、深い秋の暖かい思い出を作ってくれるだろう。

○雪に覆われたような綿花村

秋空の下、白い綿の花が雪のように咲く江原道原州市(カンウォンド・ウォンジュシ)メナゴルの綿花村。いつの間にか冷たい風が襟を立てさせるが、この村を覆うふんわりとした綿の花は、眺めているだけで胸がなごやかになる。「メナ」は、綿の花の嶺西(ヨンソ)地方の方言。すなわち、メナゴルは綿の花の村という意味だ。

嶺東高速道路のムンマクナドゥルモクを抜けて5分ほど走ると、コンドゥン3里。その中に少し入っていけば、村を囲むミョンボンサン(598m)と広大な貯水池の間にこじんまりとしたメナが現われる。

この村に足を踏み入れると、昔、流行した歌謡曲の「綿花畑」が思い出される。「私たちが初めて会った所も、綿花畑だね。私たち初めて愛した所も綿花畑だね・・・」。綿花畑を歩きながら、歌を口ずさむと、なんだか歌詞のように美しい思い出が咲き始めるかのようだ。

綿の花が韓国に伝わったのは1363年(恭愍王12年)。元の国に行った文益漸(ムン・イクチョム)が綿の花の種を筆の中に隠して持ちこんだことから、全国各地に普及した。綿が生産され、衣生活と住生活に革命的な変化が起きた。それまで麻や葛のツルなどで作った服で、寒い冬をしのいでいた庶民は、綿で作った服や布団の中で、暖かく過ごすことができるようになった。また白い木綿の服を着ることで、自然に衛生的な生活をするようになった。

○22日、メナコルの綿花体験

しかし最近、綿花畑を見ることは星をつかむようなもの。綿の花はその容姿とは違って気難しい品種であり、栽培が簡単ではないため。農薬を使ってもいけないし、種を撤く時も、咲き出した綿を取る時も、いちいち人の手を通さなければならない手のかかる作業だ。

しかし以前から綿の花を植えてきたメナコルでは、村の入口から空き地と休耕地ごとに綿の花が植えられ、村全体が綿花の公園のようだ。綿花畑の面積だけでも約3000坪。2000年の綿花伝統テーマ村に指定されたが、ここに行けば綿花畑に直接入って、白い肌を露にした綿花の綿を直に観察することができる。

綿の花は4月下旬に種を撒けば、7月下旬に花が咲き始める。花の姿はムクゲの花に似ている。9月末頃に花が落ち、アンズほどの大きさの実を結び始める。これをタレと呼ぶ。熟したタレが徐々に開けば、その中に綿花の白い綿が広がる。

今がまさに綿が盛んに取れる時期だ。14日に続き22日にメナコルに行けば、村全体に広がる白い綿花の綿を取って、伝統器具のシエ機械で種を取り、昔の綿織機で綿を織って、直接クッションや布団まで作る前過程を体験することができる。

○自分の手で作る綿花クッション

手で回すミシンのようなシエで、綿の中にある種を取り出すのもおもしろい。取ってすぐに乾燥させた綿を2本の木の間に押し入れて、取っ手を回せば、綿に沿って抜け出ることができずに落ちてくる爪ほどの種がかわいくさえ感じられる。作業を続けていると肩が痛くなるが、種を取り出すのが面白くてやめられない。

村の裏手では、ミョンボン山登山コースがあって、綿花体験後に軽く散策ができる。特別これといったところのない小さな山だが、メナコルを基準にU字型につながる尾根の老松の森は、どこにも引けをとらない美しさを秘めている。頂上まで往復するのに約2時間30分かかる。村の前には大きさふな釣りで脚光を浴びているコンドゥン貯水池があって、釣りを兼ねた旅行でも楽しめる。問い合わせ=メナコル婦女会長033-734-7935

文=チェ・ミソン旅行プランナーtigerlion007@hanmail.net

写真=シン・ソクキョ写真作家rainstorm4953@hanmail.net