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映画「ブルー」 3人の海軍将校が繰り広げる愛と友情

映画「ブルー」 3人の海軍将校が繰り広げる愛と友情

Posted February. 06, 2003 22:09,   

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深い海中を背景にした海洋アクション映画は韓国でめったに見られないジャンルだ。海軍の全面的支援を得て製作された『ブルー』は、そうしたことから、韓国映画の素材領域を広げるのに寄与したという評価を得ることができるだろう。

海軍所属の特殊潜水部隊SSUの精鋭要員の金ジュン(申鉉濬)と李テヒョン大尉(金ヨンホ)は、幼い時からのかけがえのない友達だ。金ジュンはSSU同期のカン・スジン(申恩慶)と愛に陷るが、テヒョンがスジンが好きだということを知り、身を引く。英国に留学したスジンは少佐になり、訓練隊長としてSSUに赴任し、3人の間には微妙な雰囲気が漂う。一方、海軍の合同訓練作戦途中、潜水艦が深海に着底するという大事故が発生し、SSU隊員らは着底した艦内の生存者と先端探査装備を捜すために、深海に向かう。

同じく深海を舞台にした『幽霊』(1999年)が主に潜水艦の中に止まっていたのに対し、『ブルー』の水中撮影場面とコンピューター・グラフィックは、一段と進んだ深海映像を見せてくれる。深海での生存と友情、愛の葛藤すべてが、一つの状況に集まる映画終盤の海難救助場面は『ブルー』を「海洋アクション」映画と呼ぶのに値する。しかし、その絶頂に至るまでの展開が、まるで「海洋シチュエーション・コメディー」のような雰囲気になっている。映画中盤までぎっしり詰まったささいなエピソードも、過剰という印象を与える。

この映画は、しっかりしたキャラクターとドラマ構成に欠かせない葛藤要素はすべて揃えている。 金ジュンとテヒョンの性格は対照的で、モーツァルトを嫉妬するサルエリのように、テヒョンは全てに秀でた金ジュンのため、悩み苦しむ。2人はまた1人の女性をめぐって悩み、死ぬか生きるかの岐路で、一生忘れることのできない選択に迫られる状況を迎える。このように『ブルー』には、シナリオで長時間悩んだ跡がありありと見えるが、関係描写はとても図式的だ。金ジュンに「お前に勝ってみたかった」というテヒョンの表情は切迫せず、運命的三角関係の描写はとても乾燥している。台詞による説明と「筋書」では理解ができるが、キャラクターの間の葛藤、感情のきめが染み出ないのがきずだ。

「申鉉濬の映画」と言っても過言ではないほど、申鉉濬はコミックと悲劇の状況を入れ混ぜて映画を進行させる。興行作『手紙』で知られた李廷國監督が演出した。15才以上観覧可。封切りは7日。



金熹暻 susanna@donga.com