これまで恐竜の骨は化石として多く発見されたが、脳部位は柔らかくて腐敗が早く進み、化石として残っているケースはなかった。ほかの化石で推定せざるを得なかった恐竜の脳構造を、化石で直接確認できたことに、今回の発見の意味がある。
ノーマン教授チームによって見つかった恐竜の脳が化石として残りえたのは、恐竜が死亡直後、酸素がほとんどなく、酸性度の高い水に頭が浸かったためだ。いわば「自然的防腐処理」がなされたことになる。
ノーマン教授チームは、脳化石は、恐竜の中でも「イグアノドン」のものだろうと推定した。イグアノドンは約1億3300万年前の中生代白亜紀に生息していた陸上恐竜で、体長は9メートル、体重は3トンほどの草食恐竜だ。
ノーマン教授チームは、この化石を注射電子顕微鏡(SEM)を利用して詳しく観察した結果、脳構造が残っていることを解明した。研究チームは観察結果を基に、イグアノドンの脳は現存する鳥やワニと似ていると説明した。
신수빈 シン・スビン東亜サイエンス記者 동아사이언스기자sbshin@donga.com