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製造業の低迷が拡大した首都圏と地方の賃金格差

製造業の低迷が拡大した首都圏と地方の賃金格差

Posted November. 25, 2023 10:05,   

Updated November. 25, 2023 10:05

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2010年代半ば以降、製造業の低迷で働き口が減り、首都圏と非首都圏の賃金格差が拡大したという分析が出た。非首都圏では、地域経済の支えである製造業が揺らぎ、良質の働き口が消えた一方、首都圏は賃金水準が高い情報通信業を中心に働き口が増え、格差が大きくなったという。

韓国労働研究院の分析によると、首都圏と非首都圏労働者の平均賃金の格差は、2015年の6.6%から2020年は9.8%へと拡大し続けている。非首都圏では製造業の低迷で相対的に高賃金である良質の働き口が減少し、これに伴い、地域サービス業の働き口もやはり減少した。賃金だけでなく雇用率と成長率の格差も広がり、非首都圏から首都圏への青年たちの流出も深刻化した。

2010年代までは、自動車や造船、鉄鋼などの主力製造業が地域経済を支える役割を果たした。だが、造船業不況や韓国GM群山(グンサン)工場の閉鎖などが続き、非首都圏の製造業中心都市は「雇用・産業危機地域」に転落した。産業構造が、首都圏中心の知識基盤産業に変わり、地域産業基盤は崩壊し、地方の危機は深刻化した。

地方で良質の雇用が減少し、これによって人口流出が加速化すれば、首都圏と地方の二極化は深刻化することになる。さらに、地方消滅で国家競争力を蝕む恐れもある。韓国銀行は、青年たちが首都圏に密集する現象が、非首都圏の産業・成長潜在力を毀損するだけでなく、全体出生率を引き下げる原因だと分析した。

韓国は輸出製造業の強国だが、競争力は以前のようではない。昨年、世界市場で半導体や機械、自動車、石油化学など輸出上位10品目のうち7品目の競争力が弱まった。製造業への就業者数は、先月まで10ヵ月連続で後退し、雇用創出能力も弱まった。グローバル製造業の競争で生き残るためには、製造業の育成のために国家的力量の結集が必要だ。老朽化した産業団地など、既存の製造業の中心地が高付加価値の新産業の革新基地に生まれ変わるよう、政策的支援をしなければならない。企業が地域の製造業基地に移転し、投資できるよう、画期的な規制緩和や税制優遇も必要だ。製造業の回復なしに低成長からの脱出も不可能であり、雇用と所得も増えにくい。